研究・社会連携推進センターには、本学教員の共同研究組織として、研究課題ごとにいくつかの「共同研究ラボラトリー」があります。このラボラトリーは教員(研究者)の自主的な共同研究グループです。固定的なものではなく、研究課題により学部・学科の枠を越えて随時、設置・組み替え・解散を行う柔軟な組織です。学外の研究者もメンバーとして参加することができます。
共同研究ラボの紹介
1)モータ研究センター(電気電子工学科 加納善明教授)
2018年10月、大同特殊鋼株式会社からの寄付金により、モータ研究センターを開設しました。この研究センターでは、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、燃料電池自動車の普及などで、今後も小型・軽量・大出力化のニーズが高まるモータについて、その設計・評価における研究開発とそれを担う学生・大学院生、企業の技術者などの人材育成を行います。
2)におい・かおり研究センター(建築学科 光田恵教授)
2001年、研究支援センター内に「におい・かおり研究センター」の前身である「臭気評価・制御ラボラトリー」を開設し、生活環境における臭気の評価と対策に関する課題に取り組んできました。最近では特に負のイメージだけでなく心地よいにおいも扱うようになってきています。今後も人々の生活の中での身近なにおいにあらゆる角度から取り組んでいきたいと思います。
また、研究成果の発表の場、においの研究に関わっておられる方との交流の場として、2002年以降毎年、におい研究交流会を開催しています。におい・かおりを話題とした 交流の場を積極的に持ちたいと考えていますので、におい研究交流会へのご参加もお待ちしています。
3)EV・HV駆動系の標準化(電気電子工学科 山田靖教授)
地球温暖化、化石燃料枯渇、都市部での大気汚染などへの対応から、自動車の電動化が進められています。自動車の電動化には、エンジンのない電気自動車、エンジンと電気を併用するハイブリッド車など、種々のものが開発されていますが、いずれの場合でも、電池、インバータ、モータの構成がとられています。通常、電池、インバータ、走行用モータは、それぞれ1台ずつ搭載されます。この場合、それらの中で1箇所でも故障すると走行不能になるリスクがあることに加え、各部品仕様の許容差を厳しくするとコストが上がります。また、車両毎に、容量や体格の異なるものが用いられますが、設計、製造、保守などが個別になるために、コストダウンが難しいという課題があります。
本研究ラボでは、標準化された小型で低コストな電池やインバータを複数並列に接続し、それらの電気出力をモータで合成する構成の検討を行っています。特に、多相モータの巻線間での相互干渉などに関して取り組んでいます。
4)都市交通計画(建築学科 嶋田喜昭教授・樋口恵一准教授)
都市交通計画ラボは、本学工学部建築学科土木・環境専攻の都市交通計画研究室が行政機関ならびに民間機関と連携して、都市・地域計画ならびに交通計画に関する諸問題を解決するための企画立案、実態調査・分析、施策評価、提言を、委員会・協議会活動ならびに助成研究、受託研究により行っています。
<過去の実績>
- 名古屋臨海東部再編調査:都市基盤整備公団土地有効利用事業本部(2001~2003)
- 公営・若者住宅建設基本構想策定業務:三重県美杉村(2002~2003)
- 関・岐阜間LRT導入必要性調査:関商工会議所(2007~2008)
- 生活空間における安全性確保に関する基礎的研究:豊田都市交通研究所(2006~2010)
- 名古屋市上下水道局用地の有効活用に向けた提言:名古屋市(2010)
- 自転車通行空間整備の優先度検討に向けた自転車利用者の意識・行動特性分析に関する研究委託:名古屋市(2018~2019)
- 高齢運転者が加害者となる出会い頭事故対策に関する研究(共同研究):豊田都市交通研究所(2018~)
- 自転車の通行空間整備過渡期における道路政策のあり方に関する研究(共同研究):豊田都市交通研究所(2019~)
- 生活不便地域の外出支援による福祉サービスとしてのビジネス検討~パーソナルモビリティの活用~:玉野総合コンサルタント株式会社(2019~)
- 都市再生のインフラ整備とソフト施策の同調化に関する調査研究委員会:土木学会中部支部(2021)
<現在のテーマ>
- 国・地方公共団体における各種都市および交通計画策定アドバイス
- 道路交通の安全性向上に関する研究
5)コミュニティ防災ラボ(建築学科 鷲見哲也教授)
東海地域においては、そう遠くない将来、南海トラフ巨大地震などの大規模災害が発生することが予想されています。大同大学が位置する名古屋市南区は、産業的に重要な施設が集積した「産業の生命線」であり、多くの 市民が生活する地域ですが、その一方で地震・津波・高潮・豪雨などの災害の際に「脆弱性」を露呈する、常に災害への備えを必要とする地域でもあります。
「コミュニティ防災ラボ」は、地域防災を研究するとともに、その研究成果を社会にフィードバックすることを目的に、大同大学および名古屋大学の研究者が中心となって作られた組織です。本ラボは、工学・社会科学等、学際的な視野のもと、地域と協力しながら以下の活動を行っています。
- ① 地域社会にどのような脆弱性があるかの調査・分析
- ② 脆弱性を縮減する条件についての検討
- ③ 発災後の復旧・復興を進める核となる復元力の検討
- ④ 以上の取り組みで得られた成果の社会への実装
以上の活動を通して、社会全体に大規規模災害に対する総合的な「減災-復興」システムを構築することを目指しています。
また、本ラボは、地域の皆様方がお持ちの地域防災に関する情報や、伊勢湾台風・東海集中豪雨等の記録・証言などを求めています。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
6)ゆかいデザイン工房(情報デザイン学科 横山弥生教授)
デザインのジャンルは多岐に渡り、その捉え方も千差万別です。
本学にも様々なデザインを学ぶことができる学科や専攻がありますが、その学科や専攻の壁を越えて、様々なデザインを考え、学外にも繋がりを持ち、楽しく愉快なデザインを考え、提案していこうというラボです。
現在行っている研究テーマは京都伏見稲荷にあるお店のグッズ提案と製作です。さぁ!どんな展開が見られるか?多くの人を幸せにするデザインを目指して頑張っていきます。