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学ぶ意欲が燃え上がる 実学教育

工学部 建築学科 土木・環境専攻

都市開発プラン実習(3年次後期)

都市開発を多角的な視点で考える中で、主体的な姿勢が育まれます。

「都市開発プラン実習」は、3年次の後期に2限続きで行われます。実在の地方都市をテーマに、都市開発のプランニングを行います。実在の街について具体的に考えることで、これまでに学んできた都市計画に必要な知識や技術が総合的に磨かれます。
一口に都市開発といってもやるべきことは膨大です。まずは、その都市の特徴や抱える課題について、現地に赴いたり、役所の資料等を調べたりするなど徹底的にリサーチを重ねます。次に、プランの主軸となるコンセプトの設定。コンセプト設定には時間をかけて、決してぶれない軸を探ります。そして、そこから見えてきたプランの方針を中間発表用のパネルにまとめます。学生たちが設定するコンセプトは、福祉的な課題の解決や観光活性化など、実にさまざま。その都市で生活する人々や周辺に及ぼす影響などを踏まえて総合的に考えることで、多角的な視点で考える力が養われます。

プランの土台が固まると、いよいよ本格的な都市計画がスタート。交通処理を考え、幹線道路や補助幹線道路をどのように整備するのかを考えます。大枠ができたら、次は区画整理です。区画整理は一般の民地から土地を買い上げながら実施しますので、地価を計算し、事業費を算出して、自治体でいうところの「予算案」まで作ります。授業とはいえ、事業として成り立つことが計画の前提条件ですので、成り立つまで何度も検証していきます。

実習のプロセスには、多くの要素が組み合わさっていますが、どれもこれまでの授業で学んだことが基礎になっています。学んできた知識が、実在する地方都市の都市計画をテーマに線でつながり、その知識を応用して主体的に取り組むことがこの授業で求められる一番のポイントです。何度も試行錯誤を繰り返し、世界に唯一の自分だけの都市開発プランが完成したときには、大きな達成感があります。

都市環境プロジェクト(1年次後期)

土木・環境での学びは、未来の安全・安心な街を創造するための学びです。

「都市環境プロジェクト」は、1年次後期に開講される土木・環境専攻の導入科目の一つで、街の安全・安心を大きなテーマとして、問題の発見、調査などを通じて現状を把握し、改善案や対策案を組み立てます。
この授業を通じて、土木・環境専攻での専門的な学びについて触れると同時に、2年次以降さらに深まる専門科目に向けて、情報を整理しまとめる力、課題を発見する力、プレゼンテーション力を身に付けることを目的としています。

前半は一人ひとりそれぞれが興味のある分野からテーマを探し情報を収集しながら、課題や現状を把握します。
後半はグループワークです。個人で取り上げたそれぞれの課題をグループに持ち寄り、そのグループで取り上げるテーマを絞り込みます。テーマを絞り込む際には、なぜこのテーマに絞り込んだのか、明確な根拠を示すことが求められます。
テーマが決まると、実態を把握するための調査を始めます。例えば、街の安全と深く関わる交通事故をテーマに調査するなら、愛知県警のホームページの情報はもちろんのこと、実際に事故多発地点と言われる現場に立ってみたり、警察関係者にインタビューを行ったりします。さまざまな情報を集めますが、情報はただ羅列するだけではなく、その情報から何が読み取れるか考察して、わかりやすく整理します。
グループでの取り組みでは、役割分担を決め、計画を立て、終盤に行われる調査研究報告会での発表に向けて準備を進めます。
当たり前だと思っている「安全・安心」は、私たちの目に見えないところで実に多くの方々に支えられています。この「都市環境プロジェクト」を通して、土木・環境での学びは、未来の安全・安心な街を創造するためには欠かすことのできない学びであることを知ります。

VR基礎(3年次後期)

VR空間を通して、答えが見えていない問題を可視化し、対応する力を育む。

VR=Virtual Realityとは仮想現実のこと。コンピュータ上に仮想の空間をつくり上げ、体験することができる技術のことです。2000年ごろから土木業界でも街づくり、バイパス計画などに応用されるようになり、それまで2次元の図面でしか確認できなかった空間の奥行き、高さなどが手に取るようにわかりやすく理解できるようになりました。今では建物を建てる際の住民説明会などにも活用され、VRによってまるで現実の空間のように完成後の街の姿が見えることから、住民たちの工事に対する理解度も高まり、合意形成に役立っています。
「VR基礎」は、こうしたVR技術の基礎を学び、VRによって街づくりや景観の検討などが行える技術を身につけることを目的としています。

授業では学生たちが任意に選んだ3次元空間のデータづくりから始まります。この3次元空間データができると、その上に道路や建物をつくったり、公園を配置したりしていきます。街づくりや景観には、「これが正しい」ということがありません。したがって、VRの空間づくりにも正解はありません。たとえば、街にある樹木を切らずに保存しようという意見と、切ってしまおうという意見に分かれたり、どちらが正しいというわけではありません。答えのない空間づくりに学生たちは戸惑いますが、学生たちに最初に問われるのは、街づくりや景観について自分の考え方、意見を持つことなのです。

また、VR技術では、現実にはあり得ない街をつくることができますが、仮に学生が法律的に、あるいは構造的にありえない街の画像を作成すると、ソフトが製作者に注意を促します。学生たちは建築上の法規などにも敏感にならざるを得ないのです。

VR技術には、無限の可能性があります。VRでは時間の経過なども設定できるため、公園の樹木の10年後の成長した姿、道路における渋滞予測など、シミュレーションも可能です。また津波洪水の氾濫シミュレーションを行って、避難経路を確認したり、3次元ハザードマップ(被害予測地図)の作成が現実のものとなっています。VR空間を通して、答えが見えていない問題を可視化し、対応する力も育まれるのです。