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学ぶ意欲が燃え上がる 実学教育

工学部 建築学科 建築専攻・インテリアデザイン専攻

建築設計4・インテリア設計4(C-Scape)(3年次後期)

国籍や文化の壁を越えて同じ課題に取り組み、互いを高め合います。

「建築設計4・インテリア設計4(C-Scape)」は、ミラノ工科大学(イタリア) の建築学科の学生と本学の学生が共通の設計課題に取り組む、国際交流授業です。国籍や文化の異なる学生との交流によって、固定概念に捉われない発想力を身につけます。

この授業では、毎年、大同大学とミラノ工科大学が交互に課題を出し合います。
2017年度は「イタリアのカザルサ地区にある旧兵舎の建て替え」が課題になりました。対象となる敷地の環境調査のためにミラノ工科大学の学生とメールを使って情報交換をします。使う言語はもちろん英語。適宜、指導教員による翻訳のサポートを受けながら進められますが、完璧な英語でなくても、単語と図面、イラストなどを駆使してコミュニケーションを図ることで、建築としての学びだけでなく、英語力とコミュニケーション力も鍛えられます。

敷地や周辺環境についての調査を終えると、次はこのプロジェクトにおいて最も重要なコンセプト策定です。地域貢献、建物の有効活用など、あらゆる側面から自由に考え、コンセプトを決定します。学生は「正解のない問い」に対して自らが考える「正解」を生み出すために、1年次から3年次までに学んだ、すべての建築知識を総動員します。教員は、学生のアイデアを否定するのではなく、共に考えるというスタンスで接します。
コンセプトが固まると、設計・模型づくり、プレゼンシートを作成します。その過程ではミラノ工科大学の学生と経過や成果を情報交換し、お互いの価値観を共有していきます。

そして最後には、有志を募ってミラノでの合同発表会に参加。また、両校で展示会も開催されます。優れた建築家が海外で活躍することも多い昨今、そのベースとなる発想力とコミュニケーション力、さらに課題に向けて全力で取り組む姿勢を身につけます。C-Scapeでは実社会で活躍するために必要な力と姿勢を育みます。

建築基礎数理1・2(1:1年次前期/2:1年次後期)

建築学を支える数学や物理を実用的に用いることで、建築学への興味や学ぶ喜びを呼び覚まします。

建築学は、学際的な学問であり、構造、材料、環境、計画設計、歴史意匠の5つの分野から構成されています。これらを学ぶ土台をつくるのが、本科目「建築基礎数理」の目的です。
「数理」とは、簡単に言うと、数学と物理・化学。地球上の構造物として建築物を考える時、「重力」は欠かせない要素であり、「力」の問題を避けて建築は成り立ちません。建築学は、「力の流れ」の学問とも言え、建築において数理が避けて通れないゆえんです。
また、図形や空間について研究する幾何学は、数学の一分野。構造的に安定した建物の形を求めるためには、構造解析が必要ですが、ここでも使われるのが幾何学です。
さらに微分は、この世の中のありとあらゆる現象の分析・理解に寄与しています。私たちの暮らしの便利さを支えているのは微分といった数理というわけです。その微分は、複雑な数式を単純化し、わかりやすくすることができます。材料の変異と荷重との関係を解明したり、実験のデータ整理などにも役立ちます。

この授業では、数理の応用編として、2年次、3年次の専門科目で学ぶいくつかのテーマも先取りする形で学習します。例えば、計画系の「建築面積」、材料系の「コンクリートの基礎や品質管理」、環境系の「太陽の位置や必要換気」、構造系の「横材の釣り合い」など。これらのテーマに則した問題を数理的に解くことで、数学や物理が建築学の中で、どのように生かされているのかを知ることにつながります。

高校時代に頭を悩ませたかもしれない数学や物理が、実は建築学を支えているのです。高校時代の数学や物理は、理論が先行しがちでどのように社会に役立つかわかりにくかったかもしれませんが、建築学において数学や物理は、建物の美しさや安全性、安定性などに関わる答えを求めるために実用的かつ重要な学問なのです。このような専門性に深く結びついた、生きた数学や物理は学生の建築学への興味や学ぶ喜びを呼び覚まし、学生は基礎数理を学ぶ重要性をさらに理解するはずです。

環境評価演習(3年次後期)

環境要素を評価する知識と技術を得るだけでなく、将来、施主の前に立ち、納得して頂けるための説明能力も高めます。

「環境評価演習」では、建築環境の重要な要素である、光環境、視環境、温熱環境について、実際に測定機器を使用してデータを収集し、評価を行います。多くの環境要素を評価するための知識と技術を身につけることを目的とする実習授業です。

学生ができるだけ多くの環境要素について評価体験をできるように、光、視、温熱の各分野はさらに細分化され、それぞれの環境要素を専門とする3名の教員で担当しています。人間にとっての環境は、極めて広範囲で、さまざまな要素が複合しています。このような現実に対応するためにも、学生に提供する材料は多ければ多いほど良いと考えています。
例えば「光環境」を評価する場合には、室内の照度分布を測定し、床や壁、机の上などに照明光がどのように広がっているかなどを数値的に明らかにすることで環境の特徴を捉え、評価を行います。このときに必要になるのは正確なデータですが、この授業では、自分たちでデータを収集することを原則としています。他人から与えられたデータや既存のデータではなく、自らが測定機器を使って収集したデータを解析することで、学生の理解度も納得度も飛躍的に増すことになります。

学生は授業を通じて、「測定したことで、自分の思っていたことと実際との違いを数値によって明確に知ることができた」「さまざまな現象の原理を理解できた」「自分の身の回りのことと関連していたので興味が持てた」といった感想を寄せています。

環境に対する感じ方あるいは表現の仕方は人によってさまざまです。建築環境の創造に携わる技術者として、施主であるお客さまに対して「結構快適ですよ」とか「十分明るいですよ」といった感覚的な言葉だけで説明するのではなく、測定結果に基づいた指標を使用しながらその環境の特徴や質について説明を行い、相手に納得してもらうことが重要です。

授業の終盤には、「プレゼンテーション」が用意されています。指標やグラフを用い、どうすれば相手にうまく伝わるか、相手にとって分かりやすいかを考え、将来施主の前に立ったときに必要不可欠となる説明能力も高めます。