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学ぶ意欲が燃え上がる 実学教育

工学部 機械システム工学科

創造製作演習(1年次前期)

ロボットを思い通りに動かすことで気付く、これからの学びの大切さ。

現代のロボットや自動車は単なる「メカニズム」ではなく、これに「エレクトロニクス」や「情報処理・制御プログラミング」が高度に集積・連携した「機械システム」です。入学して間もない1年次前期に実施される「創造製作演習」は、ロボットの設計・組立やプログラミングを通して楽しみながらこの「機械システム」の基礎に触れ、これから始まる専門分野の学びの大切さに自ら気付くことを目的としています。
この授業では、モーター・センサー・マイコンがセットされて自由にロボットを設計・製作できるレゴブロックを使います。2人一組でペアを組んだ学生たちには、はじめに「2メートル四方のフィールド内に散らばったピンポン玉を拾い集めるロボットを作る」という課題が与えられます。

ロボットを動作させるために必要最低限のことは事前に学ぶものの、入学して間もない学生たちには専門知識や理論などはもちろんありません。ペアを組む仲間と議論しながら、自分たちなりに「ピンポン玉を集める」ために最適なロボットの形状および動作をさせるためのプログラムを考えます。
しかし「90度曲がれ」という指示のプログラムを作ったはずなのに、ロボットは思い通りに曲がらない…。学生たちは、ロボットの形状を変更したり、プログラムでの指示角度を変えてみたり、さまざまな試行錯誤を繰り返します。
わからないところは、先生やティーチング・アシスタントとして見守ってくれる院生が丁寧に助言してくれますが、答えまでは教えてくれません。答えは一つではないことに気付いてほしいからです。
苦労して作り上げた自分たちのロボットだからこそ、競技会は大いに盛り上がり、喜びや悔しさをかみしめます。
モノづくりの楽しさや面白さを実感しながら、学生たちは多くの失敗を経て、課題に直面した際に主体的に解決する姿勢の大切さに自ら気付きます。

デジタルエンジニアリング1・2・3・4(1:2年次前期/2:2年次後期/3:3年次前期/4:3年次後期)

企業の声を参考に、徹底的にモノづくりの現場を重視しています。

現代のモノづくりの現場では、コンピュータが不可欠となっています。「デジタルエンジニアリング」では、このような時代に欠くことのできないコンピュータによる設計、加工、組み立てに必要な知識やスキルを1年次から3年次を通して順序立てて身に付けます。
「1」では2次元CADの操作方法と作図を学び、2次元CAD利用技術者試験の受験に向けた操作スキルの修得をめざします。「2」では3次元CADの操作方法と作図を、「3」では各自が興味のあるテーマに基づきシミュレーションソフトを用いた解析を行い、発表まで行います。

「デジタルエンジニアリング」は、実際に企業の方々から、今現在、企業の現場でどのような力が求められているかをヒアリングした上で、組み立てられています。例えば、「CADが使えても、加工のスキルがない人材は現場での活躍は厳しい」という意見に基づいて、実際に加工機械に触れる機会を増やす内容に改善しました。集大成となる3年次後期の「4」では、設計したCADデータを使って材料を加工するプログラムをつくり、樹脂・金属の材料を工作機械で加工します。ここでは、CAM(computer aided manufacturing)について半年間にわたって、みっちり学びます。NC工作機械やマシニングセンタを使う場合には、どんなドリルを装着するのか、何ミリのエンドミルを使うのか、加工手順も考えた上で準備をする必要があります。各自のペースに合わせて確実にスキルを身に付けさせるために、機械システム工学科には、申請すればいつでも使用できるNC装置が用意されています。

加工した実物が出来上がると問題点が見えてきます。そこから試行錯誤し改善を重ねていきます。時には一からやり直しが必要な場合もありますが、この環境であれば、じっくりと問題と向き合って原因を究明し、何度でも繰り返しやり直すことができます。これは産業界で重要な改善の手法とされている「PDCAサイクル」の基本です。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)のサイクルを繰り返すことの大切さを、学生たちは体験的に学ぶことができます。

自ら計画を立てて、改善を重ねながら期限までにゴールをめざす力は、企業の現場で必ず求められる力です。知識やスキルの修得にとどまらず、それを実際のモノづくりに生かすことを学ぶ。それが機械システム工学科の「デジタルエンジニアリング」です。

メカトロニクス実習(2年次後期)

機械、電気電子、情報など、いろいろな引き出しを持った技術者が、現代のモノづくりの現場に求められています。

メカトロニクスとは、「メカニクス(機械)」と「エレクトロニクス(電気)」と「情報」が融合した技術分野を意味しており、現代のモノづくりの主流です。
例えば、かつては機械工学のかたまりのようであった自動車も、今や電子機器といっても良いでしょう。精密機械だったカメラも同様です。これらこそが、まさにメカトロニクスが生み出した製品なのです。

機械システム工学科の「メカトロニクス実習」は、なかでも機械との接点における「エレクトロニクス(電気)」を中心に学ぶところに特徴があります。
「電気」は目に見えないものであり、さらに今日では電子機器の小型化によってその仕組みや中身を見ることも難しくなっています。よって、大学に入学するまで、多くの学生が「電気」について基本的なことを知らない場合が増えてきました。例えば、乾電池の電圧は何ボルト? 人間の体は電気を通す? など。
この授業では、身の回りのさまざまな電気の仕組み、電気にまつわる現象などを紹介しながら、「電気って面白いなあ」という学生たちの興味を引き出していきます。

機械システム工学科では、「モノづくり」を大切にしています。中学校でも経験してきたであろうはんだ付けも、もう一度基礎から学びます。なぜなら、はんだ付けは電気回路をつくる上で欠かせない技術だからです。繰り返し学ぶことでモノづくりの基礎をしっかりと身につけます。また「メカトロニクス実習」では、レポートの提出が義務づけられていますが、評価は「考察」を重視します。「こういう実験をやりました」という報告ではなく、大切なのは、その結果から何を学び、何を考えたか? と「考える」こと。

機械システム工学科では、つねに「<機械>だけを学んでいるのではない」ということを伝えています。ありとあらゆるものがメカトロニクス化する現代の中で、技術者は機械だけがわかっていても通用しません。広く、電気・電子分野や情報分野まで、いろいろな引き出しを持った者こそが、現代のモノづくりの現場に求められているのです。そんな技術者を育てるのが、機械システム工学科の使命でもあり、「メカトロニクス実習」を通して引き出しの幅を身につけるのです。