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学ぶ意欲が燃え上がる 実学教育

情報学部 情報デザイン学科 情報デザイン学科

卒業研究(4年次)

実際の企業の課題と向き合い、課題解決の力を身につけます。

上岡研究室の卒業研究では、4年間の学びの集大成として愛知県産業振興課と連携し、広報に関する課題を抱える「愛知ブランド企業*」の広報宣伝活動が研究テーマとなります。 自分たちのこれまでの学びを生かし、広報動画や広報企画を提案することで実際の企業が抱える課題の解決に役立てます。 学生たちは、企業ごとにグループをつくり、それぞれが担当する企業について事前に調査します。そして、企業を訪問し、直接抱えている課題について説明を受けます。その後も繰り返し企業に取材を続けながら、課題を解決する糸口を探します。その過程では、学生たちは自分の名刺をつくり、社会人として必須のマナーやメールの作法などを徹底的に学びます。それも、実際の企業を相手に課題に取り組んでいる緊張感があるからこそ身につくのです。

若手の人材不足に悩んでいる企業に対しては「どうすればより良い人材を集め、企業を活性化できるのか」について企業の担当者と議論を重ね、企画書にまとめて提案します。 具体的には①90秒程度の広報動画作成②広報企画または③リクルート用PRツールのどちらかについて提案し、企業からOKが出ると、インタビューや撮影などの実制作に取り組みます。 わかりやすく、意図が明確に伝わる提案のための資料づくりはプレゼンテーション能力を磨きます。また、動画の撮影や照明、音声などのスタッフはプロの方にも協力を仰ぎ、制作に関わるプロのスタッフの技術力に触れることもできます。さらに「専門セミナ」として3年生も加わっていることで、後輩たちも含めた仲間たちとの共同作業を通じて「伝える力」とチームワークの大切さを実感します。 企業に納得される課題解決策を生み出す重圧と難しさがあるからこそ、企業の方の「ありがとう」の一言が、学生たちに「達成感」を教えてくれます。

*愛知県が認定する優れたモノづくりの技術を持った企業

製品デザイン実習A(3年次前期)

クライアントの要望に応えることで、プロダクトデザイナーの本質を学びます。

2018年度の「製品デザイン実習A」は、企業とコラボレーションして進めます。実際の企業がクライアントになり、クライアントが出すテーマに沿った商品を企画・制作し、最後には自らの製品プランをプレゼンテーションします。クライアントと関わりながら進められるこの授業は、学生の視野を大きく広げ、製品制作の全ての工程を経験することで、プロダクトデザイナーとして必要な素養を身に付けます。

課題が出されると、学生たちは個人またはグループでリサーチ、リサーチ結果の共有・アイデア出し、具体的な制作、クライアントへのプレゼンテーションというステップを踏みます。
プレゼンテーションまでの一連の過程では、クライアントと何度も繰り返し打ち合わせを行い、クライアントが何を求めているかを感じ取り、試行錯誤してアイデアを練り上げていきます。学生たちは、プロダクトデザイナーの最も基本的な使命といえる「クライアントの要望に応えること」の大切さと、大変さを知ることになります。
また、制作にあたっては、「学外へ出て、リサーチをすること」が必須。より良いアイデアは、机の上で考えるだけでは浮かんでこないことを体験的に学びます。

この授業を通じて学生たちは「クライアントがどんな視点を重視しているのか」「その製品を求めている背景は何なのか」など、プロダクトデザイナーとして欠かせない「クライアントの要望に応える力」を養います。この力が、4年次の卒業制作やその先の社会で活躍するための礎になるのです。

情報デザイン基礎実習C・D・E・F(C・D:2年次前期/E・F:2年次後期)

より良いものをつくりたいという強いスピリットを持つクリエイターをめざします。

「情報デザイン基礎実習C・D・E・F」では、1年次に幅広く学んだ「デジタルグラフィックス」「メディアクリエイティブ」「メディアコミュニケーション」「プロダクトデザイン」の4分野のうち、自分の興味のある分野を2つ選び、より深く学びます。どの分野もクリエイティブ業界で活躍するためのスキルを得ることを目的としています。

それぞれの分野で主に学ぶのは、次のとおりです。「デジタルグラフィックス」分野は、コンピュータソフトを使用して、主に平面デザインに取り組みます。最終的にはポスターなどにまとめて、プレゼンテーションします。「メディアクリエイティブ」分野は、実写とCG、サウンドを駆使して、30秒の映像作品をつくり上げます。「メディアコミュニケーション」分野では、WEBデザインについて学びます。HTMLの基礎からページ構成など、WEBサイトのデザインに必要となる技術について実践的に学びます。「プロダクトデザイン」分野は、リサーチ、コンセプト立案、アイデア展開、試作制作、評価、提案などデザインワークの基礎的な流れを、実際の身近な製品をデザインする課題に取り組むことで学びます。

「情報デザイン基礎実習C・D・E・F」では、かなりの時間を、「企画づくり」に費やします。どのようなテーマやコンセプトでいかに相手に伝えるかということを重視するからです。先生は、学生のつくった企画案に対して、つねに「なぜ」と問い続けます。なぜ、そのようなものをつくろうとしたのか、見る人に何を伝えようとしたのか、何を表現したいのかなど。学生はゼロから何かを生み出す難しさを体験します。一方で、そのような学生の苦労を理解するその道のプロである先生に寄り添われ、アドバイスをもらう過程で、学生は、より良いものをつくりたい、人に何かを伝えたいという思いを強くしていきます。この授業では、一人で何もかも手がけます。たとえば「メディアクリエイティブ」分野では、30秒の映像作品を作り上げるのに、自分でカメラを回し、CGをつくり、サウンドをつくり、ナレーションをつけます。

現代のクリエイティブ産業では、チームで協働するクリエイターの仕事の内容を熟知し、適切な指示や依頼ができることが求められます。そのためには、それぞれの分野の知識やスキルのみならず、抱える苦労や悩みを理解し、リスペクトし合うことが必要です。この授業を通して一人で作品を作り上げる苦労を、身をもって体験した学生だからこそ、それが可能となるのです。
ただ言われた作業だけをするクリエイターは、求められていません。「情報デザイン基礎実習C・D・E・F」は、仲間たちと共に、より良いものをつくりたい、あるいは人に何かを伝えたい、そんな強いスピリットをもつクリエイターを育てます。

応用CAD実習A・B(A:3年次前期/B:3年次後期)

3次元CADの習熟を通して、プロダクトデザイナーとしての「責任感」を育てます。

「応用CAD実習」は、主に3次元CADの操作方法を身に付けることを目的にしています。「応用CAD実習A」では、「木製スプーン」というテーマに基づいて、アイデアスケッチを提出。この授業で求められるのは、CADでなければできない、手加工では実現が難しい、より難易度の高い形状に挑戦することです。単純な形状であれば3次元CADを用いなくても制作できてしまうからです。アイデアが固まると、CADデータの作成に取り組みます。データが完成すると、実際に切削加工機を使用して実物をつくり上げていく班と、レンダリングソフトを用いて、CADデータからCGをつくる班とに分かれて、それぞれ最終的な仕上がりをめざします。

「応用CAD実習B」では、より難易度の高い「スタッキングチェア」(積み重ねて収納可能な椅子)に挑戦します。これまでに学んだCAD技術の集大成として、デザイン形状だけではなく、製品化する上で重要な金型づくりの条件や金属部品との接合など、構造や強度、生産性にも配慮した製品として製作するため、まさにプロのプロダクトデザイナーが行っているプロセスを経験することになります。このように現代のプロダクトデザイン業界では、3次元CADソフトがなくては成立しないとさえ言われています。学生たちは「応用CAD実習」の授業を経て、プロダクトデザイナーとしてのみならず、実社会で活躍できる審美性を兼ね備えたエンジニアとしての一歩を踏み出します。

3次元CADソフトは、手描きスケッチと異なり、作成したデータが、そのまま形状として現れます。それだけに、手抜きや間違いが許されない、より正確なデータ作成が求められます。実際に商品として販売可能なレベルまで、その正確さを追求する姿勢は、プロダクトデザイナーに欠かすことのできない、造形に対する「責任感」を育てます。プロダクトデザイン専攻の教室には、切削加工機が10台以上、3Dプリンタも多数用意されています。実際にCADデータを実物にして確認することができる環境は、「ここまでできた!」という達成感と、「より良いものをつくりたい」という学生の創作意欲の向上につながっています。

自己表現1・2・3・4(1:1年次前期/2:1年次後期/3:2年次前期/4:2年次後期)

「話す」ことを楽しみ、自信を深め、自己プロデュース力を高めます。

「自己表現1~4」は、学生にコミュニケーションのための基本となる技術を身につけさせることが主題の授業です。自分の中にさまざまな情熱や思いを持っているにもかかわらず、的確に人に伝えることが苦手な学生は少なくありません。そんな学生の多くは、何か話しなさいと言われると、「何を話そう?」と話の中身ばかりを一生懸命考えます。どのような表情で、どのような声で話したら相手に伝わるか、相手がどのような印象を持ってくれるか、ということを意識している学生はほとんどいません。

「自己表現1」では、効果的に話をする方法を身につければ、コミュニケーションは楽しくなることを知ってもらい、話す中身だけでなく“話し方”が大切であることに気づいてもらう意識改革を大きなテーマにしています。

また「自己表現2」では、主に“聞く力”について学びます。実は、人とコミュニケーションする上で、“聞く力”は“話す力”以上に重要です。相手の話をしっかりと受け止めて、さらに話を続けていく。そのためには、理解力も必要ですし、相手の話を引き出す技術も必要です。授業では、実際に学生同士がお互いを取材して、“聞く力”によって聞き出した内容をまとめ、発表しています。

「自己表現3」では、声に感情を込めて、表情も作り込むなど、“演技力”や“自己演出力”といったことも意識します。さらに、コンビを組んで大学のキャンパス取材を実施。キャンパス内で面白いと感じたことを選び、関係者に取材して、その面白さを発表で伝えます。学生が発表するテーマは売店の人気商品ランキング、学内の女性専用ルームで起きていることなどさまざまです。この発表では、聴衆を前に学生たちの総合的な“伝える力”が試されます。

そして「自己表現4」では、それまでに身につけた表現スキルをさらに飛躍させ、自分の内面を伝えるための身体表現を学びます。演劇的なワークショップ形式の演習を通して、自己を開放し、豊かな感性と表現力の獲得を目指します。

授業では、実に多彩なプログラムが用意されていますが、特に「人前で話す・表現する」という実践が、繰り返し行われます。学生にとって人前で堂々と話したり表現できるようになることは、楽しくもあり、さらに自分に自信を持つことにもつながります。

授業を受けた学生たちの声の一部をご紹介しましょう。「人に伝えることの大切さを知った」「クラス内でコミュニケーションが活発になったのはこの授業のおかげ」「自己表現が自分の力になったのは、周りの人たちに刺激されて成長できたから」……。

人間にとって、人とコミュニケーションする力を手にすることは、社会生活を送る上でも、幸せに生きていく上でも欠かせない、大切なことです。「自己表現」は、コミュニケーションの基本となる「話す・表現する」ことの楽しさを認識し、自信を深めること、さらには自分を他者にどう見せるかという自己プロデュース力を高めていく授業です。

製品デザイン実習B(3年次後期)

「考える力」と「提案する力」。そして、自信を持って提案する「強さ」が身につく。

「製品デザイン実習B」は、3年次後期の授業であり、4年次の卒業制作を控えて、その予行演習ともいうべき位置づけとなります。3年間学んだプロダクトデザインの知識やスキル、そして思想を総動員し、自ら考え、デザインし、つくり上げていく過程の中で、プロダクトデザインとは何かということに対する自分なりの回答を形にすることが目的です。

用意されているテーマは3つで、テーマAは、木工をテーマとし、岐阜県高山市の家具メーカーにダイニングチェアの提案をします。テーマBは、愛知県一宮市にある樹脂のデザイン・設計・制作を行う企業に美容健康グッズ、浴室用グッズの提案をします。テーマCは建築学科で行われているイタリアのミラノ工科大学との連携授業である「C-SCAPE」とのコラボで、岐阜県白川町の町内に設置するランドマークやストリートファニチャーなどを提案します。この授業の大きな特徴は、いずれも提案が実を結べば、製品化される可能性が高いということです。

学生たちは実際の企業と向き合い、企業からのニーズを取り入れ、対象となる企業の発展や業績に貢献できるものを提案するために、真剣に緊張感を持ってモノづくりに取り組んでいきます。企業で実際に日々モノづくりに携わる現場の方々の前での提案は、生半可なものは通用しませんし、いい加減な気持ちで参加することは許されません。そのため、作品の初期アイデアとしてのスケッチは、100案を数えます。ここからたった一つの価値ある提案に絞り込んでいきます。制作段階ではさまざまな問題が発生し、ほとんどが当初の計画通りにスムーズに進みません。しかし諦めずに問題を丁寧に一つ一つ解決していくことで完成する作品は、大きな達成感と自信をもたらしてくれます。

この授業で育まれるのは、「考える力」と「提案する力」。さらに、企業の人を前に、決して物おじすることなく、自信を持って提案する「強さ」です。

オープンキャンパスに参加した、ある高校生がプロダクトデザイン専攻の学生と接して、こんなことを言っています。「私はデザインというと見てくれの良さばかり考えていました。しかし、プロダクトデザインの先輩たちは、人が使うこと、社会に役立つことを考えてモノづくりをしている。私はプロダクトデザインとは何か、ということが少し理解できました」。

高校生に感銘を与えた先輩たちもはじめから、そうだったわけではありません。「製品デザイン実習B」をはじめ、プロダクトデザイン専攻の授業、先輩たちや先生、仲間たちとの切磋琢磨を通じて、プロダクトデザインとは何かを身につけていったのです。