さまざまな学びを通じて、自ら考え、判断できる人材を育成。

機械工学科 蔦森 秀夫 教授
機械工学科では、主に機械系エンジニアを育成することを目的としています。このため、機械・材料・熱・流体という4力学に加え、機械材料学を必修として、製図・強度計算などを含む設計や材料、加工の技術を身につけます。加工に関する講義が充実していることも本学機械工学科の特長です。さらにそれらの周辺の制御工学や電気工学、プログラミングなども学ぶことが可能で、モノづくりに必要な知識や技術が修得できます。また、本学科では大学院進学を目指す学生のために「Mコース」を設けて進学への意識づけを行っています。その結果、研究レベルは上昇傾向にあり、研究室も活気づいています。一方、高校で学ぶ数学の範囲が異なる工業高校出身者などに対しては、1対1で面談したり、わからないことを教えたり、大学院生が学生をフォローするアドバイザー制度があります。本学科でのさまざまな学びを通じて、困難を乗り越え、自ら考えて決めていける人材の育成を目指しています。

高田研究室
高田 健 教授 博士(理学)
- 金属結晶内部で起こるミクロ現象の解明
- 金属材料の強化メカニズムの解明
- 水素エネルギー社会を支える金属材料の研究
微量に添加した元素により金属特性は変化します。これら元素が金属にどのような影響を及ぼしているのかをミクロな視点で解明しようとしています。時間はかかるかもしれませんが、いずれは研究成果が工業の発展に貢献できると信じています。学生たちは与えられた課題に対して諦めず、粘り強く研究に取り組み、いまだ解明されていない課題を解決する力を身につけています。誰もまだ足を踏み入れていない分野で、世界初の発見に挑戦できる楽しさは何物にも代え難いものだと思います。

前田研究室
前田 安郭 教授 博士(工学)
- 鋳造CAEにおける流動・伝熱・凝固解析のV&V
- 粒子法シミュレーションを用いたダイカストのラドル注湯およびプランジャ射出の条件最適化
- 砂型造型圧密化機構の解析と離散要素法(DEM)によるシミュレーション
金属を熱で溶かし、型に流し入れてから冷やして固める加工方法を「鋳造」と呼びます。湯のように溶けた金属がどのように型の中に入っていくのか、どのように冷えて固まるのかを実験とシミュレーションの両方から研究し、その鋳造技術の精度向上に努めています。かつて鋳物は職人の経験と勘でつくられるものといわれていましたが、デジタルで「見える化」することにより、職人の経験と勘を手に入れることができます。これによって鋳物業界の発展に貢献できればと考えています。

萩野研究室
萩野 将広 准教授 博士(工学)
- 難削材の被削性に関する研究
- 切削加工後の材料変形と残留応力の関係
- 生産性向上に寄与する最適化に関する研究
金属から非鉄金属まで、自動車や航空機などで使われる材料の切削加工について研究しています。軽く、強く、長持ちする材料がどんどん登場していますが、それらを安く、早く、効率的に加工できるかどうかは、産業界全体の課題です。材料と共に加工工具にも改良が求められるため、新しい工具形状や工具材種を考え、その性能を実験で解明します。また、実社会では自らが計画し、実行していく能力が必要不可欠です。そのために学生の自主性を重んじ、発想の転換により状況を打破できる人材育成を目指しています。

宮本研究室
宮本 潤示 准教授 博士(工学)
- 真空および大気圧中における鋼のプラズマを用いた表面改質処理
- 潤滑油のプラズマを用いた特性改善に関する研究
- 各種粒子分散液体の開発
この研究室では、金属の表面をプラズマ加工することで、新たな機能を付加するという研究に取り組んでいます。自動車、家電など、金属製品で表面処理されていないものはないといっても過言ではありません。研究は基本的に失敗の繰り返しです。その向こうに、新しいイノベーションが生まれると信じています。また、研究室では、先見力、継続力、協働力、そして夢を持ち、初心を忘れないことを常に学生たちに伝えています。そうした力を身につけることで成長し、自らの未来を描こう、ということだと思います。
研究室一覧
神﨑研究室
- 教授神﨑 隆男工学博士
- 研究テーマ
- 大気中の風の流れに及ぼす気流変動の影響に関する研究
- 都市域の風の流れに及ぼす建物形状・建物配置の影響に関する研究
- 活性炭素繊維を利用した都市域の大気汚染物質除去手法の開発に関する研究
白石研究室
- 教授白石 裕之博士(工学)
- 研究テーマ
- 光エネルギーを利用した航空宇宙エンジン
- プラズマを用いた流れ騒音のコントロール
- 超音波を用いた燃焼の安定化
田中研究室
- 教授田中 浩司博士(工学)
- 研究テーマ
- ハイブリッド金型材料SKD61/Cuのレーザ造形と熱応力・熱歪みの解析
- 金属間化合物を主相とするAl-Cu系接合組織の最適化に関する研究
- 伸銅材への付加造形により機能をもたせた異材複合型電気材料の開発
蔦森研究室
- 教授蔦森 秀夫博士(工学)
- 研究テーマ
- プレス成形シミュレーションの予測精度向上
- 新しいプレス加工法に関する研究
- 金属薄板の塑性変形挙動に関する研究
坪井研究室
- 教授坪井 涼博士(工学)
- 研究テーマ
- 表面テクスチャリングを用いたピストン・シリンダーなどの摩擦性能の向上を目的としたオイルの流れのシミュレーション
- 航空機の翼・エンジンでの着氷防止を目的とした低温粗大液滴のスプラッシュのメカニズムの解明
- カヌー競技用トレーニング機器の開発を目的としたパドルにかかる力と流れの関係についての研究
西脇研究室
- 教授西脇 武志博士(工学)
- 研究テーマ
- アルミニウム合金板の深絞り成形技術の開発
- 金属薄板の材料試験の高度化
- プレス成形における最適設計技術の利用
町屋研究室
- 教授町屋 修太郎博士(工学)
- 研究テーマ
- 工業材料を引っ張って破壊させることでどれだけ伸びるかや強度を確かめる研究
- 非接触で物質表面や内部に作用している力を測定する研究
- 超電導材料の機械特性を測定する研究
杣谷研究室
- 准教授杣谷 啓博士(工学)
- 研究テーマ
- 温室効果ガス動態調査用の気圧変動センサの確度向上
- 70万回転を超える高速ターボマシンの製作
- 真空環境用潤滑剤の性能改善