豊かな社会に必要な建築のおもしろさを、第一線で活躍している教員と共に学ぶ。

建築学科 建築専攻 髙栁 伸一 教授
建築学は、設計計画、構造、材料、環境、歴史といった5つの専門分野から成り立っています。本専攻では、それぞれをバランスよく、しっかりと学ぶことができるカリキュラムが用意されています。指導する教員も、設計やまちづくりの現場で活躍している教員や学会で鍛錬を積み重ねている教員が多数そろっています。 建築学は時代の変化に合わせてしなやかに変わらなければなりません。人の暮らしや人の思いが時代と共に変わるように、建築に求められるものもまた変化しています。建築学も常に新しい価値を提案する必要があるのです。その目まぐるしい変化に対応すべく、教員も現状に甘んじることなく、それぞれの分野で切磋琢磨しています。学生たちも、自らの興味や関心のある分野を中心として、それぞれの将来を見据え、教員と共に、建築のおもしろさだけではなく、時には厳しさをも学んでいます。

宇野研究室
宇野 享 教授
- 街や建築の魅力を調査
- 面白い建築デザインの発明
- 建築をつくる新しい設計手法の開発
宇野研究室の卒業設計は、まず各自がテーマを探し、建築に必要な敷地と建てる意味を考えることから始まります。続いて、建築デザインの発想トレーニングとしてわずか10cm角のスペースにスケッチを描き模型をつくります。ある程度計画がまとまってきた段階には国内外で活躍する著名な建築家を招き講評してもらいます。最後には多くの人の前で設計提案を発表するわけですが、そこまでの葛藤、創造する苦しさはプロの建築家になっても続きます。建築とは常に新しい発見であり、気づきであることが、学生たちはわかってくるのです。

萩原研究室
萩原 伸幸 教授 博士(工学)
- ユニークな構造物の仕組みや形のデザイン
- 地震による建築物の被害の予測
- アーチやドームの不思議
今、地震の活動期に入っており、各地で頻繁に地震が発生しています。こうしたとき、体育館など避難に利用される空間の耐震性が問われます。研究室では「空間デザイン」をテーマにしており、デザインに関わる構造や地震時などの被害について構造の面から考えます。また「このようなデザインをつくりたいが構造はどうするのか」といった問題について解決へ方向性を導きます。逆に言うと、構造の形によって建築デザインが変わる、という数少ない可能性にチャレンジする姿勢を学生たちに示したいと思っています。

高橋研究室
高橋 之准教授 博士(工学)
- 鉄筋コンクリート構造の耐震性能
- 鉄筋コンクリート構造の耐震補強
- 建築物の地震被害
研究室では、実際に1トンあるコンクリートの柱を建てたり、横にしたり、壊したりします。そんな時、危険を感じたら、たとえ相手が上司であれ、先生であれ、臆することなく言う。鉄筋コンクリート造の建設現場の安全管理を肌で知ることができます。また、壊れ方を知っていることで、壊れないモノづくりも理解できます。また地震があったときには実際に被害地の調査に出かけることも。建築の現場、真逆の崩壊の現場をつぶさに知ることを、学生たちは安全・安心な壊れない鉄筋コンクリートの建物づくりに活かしています。

米澤研究室
米澤 隆准教授 博士(工学)
- これまでに見たことのないオリジナルな建築作品の創造
- 未来のスタンダードになるような新しい建築タイプの開発
- よりよい建築を設計するための方法論・設計手法の考案
建築によってモノ、コト、場所、人を関係づけることで多彩な物語が生まれ、生態系のようにそれらがつながった環境をつくりだすことを研究テーマとしています。住宅、ランドスケープ、商店街、メタバースなどさまざまなテーマに関心のある学生が集まって勉強を進めています。卒業後は例えば商店街の活性化を研究している学生だったら、商店街に入り込んでまちづくりなどに関わりながら設計事務所を運営していくような働き方ができるといいですね。自分の個性に合ったおもしろい人生を歩んでほしいと思っています。
研究室一覧
髙栁研究室
- 教授髙栁 伸一博士(工学)
- 研究テーマ
- 歴史的に重要な建築に関する研究
- 伝統的な都市の形成に関する研究
- 歴史的に重要な建築家に関する研究
中島研究室
- 教授中島 貴光博士(美術)
- 研究テーマ
- 多様性に配慮した市民に開かれた公共劇場の計画
- 劇場のロビー・ホワイエ等オープンスペースの活用に関する研究
- 能とオペラを融合した舞台装置および舞台美術のデザイン
藤森研究室
- 教授藤森 繁博士(工学)
- 研究テーマ
- できるだけ傷つけることなくコンクリートの品質を評価する方法
- 木材の中の隠れた不具合を簡単な方法で見つけるための方法
- 地域の小径木材を使ったデザイン性、メンテナンス性に優れた新しい耐震壁の提案
武藤研究室
- 教授武藤 隆博士(美術)
- 研究テーマ
- 美術館やギャラリーの展示空間の調査・研究、提案
- 芸術祭の会場や展示空間の調査・研究、提案
- 展覧会の会場構成の調査・研究、提案
岡本研究室
- 教授岡本 洋輔博士(学術)
- 研究テーマ
- 注意を引く光・サインの特徴に関する研究
- 眼が疲れにくい照明光についての検討
- シミュレーションやVRを用いた視環境評価
船橋研究室
- 教授船橋 仁奈修士(芸術)
- 研究テーマ
- 人々が共有できる価値観の発見、創出
- 人と人との関係が生み出す空間性の考察、研究
- 人と環境をつなぐ空間デザインの提案
森長研究室
- 講師森長 誠博士(工学)
- 研究テーマ
- 環境音が人間生活と健康に及ぼす影響についての研究
- 都市・建築空間の快適性や機能を向上させる音環境
- サウンドスケープ(音風景)の記述と評価