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メスバウアー分光法は、1953年メスバウアーによって発見された無反跳原子核線共鳴現象(メスバウアー効果 )を利用した測定法です。メスバウアー効果はすべての原子核でおこるのではなく、ある条件を満たしたものに特定されます。代表的な原子核は57Feです。メスバウアー分光ラボでも鉄についての非破壊状態分析を行っております。試料は鉄の含量にもよりますが、数十から数百ミリグラムの固体(粉末)です。得られる鉄の状態についての主な情報は次の4つです。

  • (1) 酸化状態(たとえばFe2+なのかFe3+)
  • (2) 化学構造状態(鉄の周りが電気的に対称かどうか)
  • (3) 磁気的状態(たとえば、鉄が強磁性なのか常磁性なのか)
  • (4) 結晶学的状態(鉄原子が結晶格子中でどれくらい強く束縛されているか)

これは測定されるメスバウアースペクトルの以下の情報から抽出されます。

  • (1) 異性体シフト(吸収ピークの位置)
  • (2) 四極分裂(吸収ピークの電気四極的分裂〈2本に分裂〉)
  • (3) 磁気分裂(吸収ピークの磁気的分裂〈6本に分裂〉)
  • (4) 吸収強度(吸収ピークの面積)

以上の情報を総合的に検討すれば、試料中に含まれる鉄の化学種(化合物の種類、金属状態)が推定される可能性があります。複数の化学種であれば相対的な存在比が求められます。

これまでに委託研究および共同研究として共に協力しあった企業、機関、大学は以下のとおりです。共同研究に関しては研究テーマも記します。

委託研究
大同特殊鋼、上田石灰
共同研究
共同研究企業、機関、大学 研究テーマ
大同工業大学(岩間三郎教授研究室) 熱プラズマ法で生成する鉄微粒子の特性研究
大阪市立大学 リチウム2次電池中の鉄イオンの反応の研究
広島大学、オタワ大学 海底堆積物中の鉄の化学状態の分析
名古屋大学 フェライト触媒の活性と鉄の化学状態の関連性の研究
大連化学・物理研究所 鉄をドープした二酸化チタン触媒の化学状態の研究
秋田県立大学 木材中に取り込まれた鉄の状態分析
日本原子力研究所(現:日本原子力研究機構) 中性子インビームメスバウアー分光法の開発
東レリサーチセンター、東邦大学 混合原子価3核鉄カルボン酸錯体の原子価遥動の研究