宇宙葬の売り込みが行われている。アメリカのセレスティス社は世界各地の葬儀社と提携してキャンペーンを行っている。
セレスティス社は民間のトーラスロケットを使用して1999年までに3回の宇宙葬に成功している。遺灰を収納したロケット・カプセルは数ケ月から数年間地球を周回して、大気圏に再突入して燃え尽きる仕組みである。
地球引力圏の外側にカプセルを放出するには、大型のロケットが必要であり、民間のロケットでは無理である。2001年9月に打上げられたトーラスは2段目が上手く働かず、第4回目の宇宙葬は失敗に終わった。このカプセルには50人分の遺灰が搭載されていた。トーラスは人工衛星を低コストで地球低軌道に打上げるために開発されたロケットである。ロケットに人工衛星を搭載して、その隙間に遺灰カプセルを相乗りさせてもらう方式なので、打上げまでに相当に待たされることが多い。
セレスティス社はスペースX社と契約を結び、同社のファルコンロケットで本年9月に150人分の遺灰を打上げる予定である。その中には前回失敗した50人分のうち48人の遺灰が含まれている。150人中、日本人の分が約50人と発表されている。費用は一人分、遺灰7グラムで約60万円である。売り上げ合計約9000万円、諸経費を差し引くと、とてもビジネスになる金額ではない。
葬儀社と組んで、地上のお葬式とセットにして、150万円ではいかがとのキャンペーンを台湾で開始したとのことである。もちろん、日本でも同様の企画が進んでいると思われるので、いずれ貴方にお誘いがあるかも知れない。貴方ならどうしますか。私なら7グラムではなく、遺灰すべてを地球重力圏外に放出してくれるなら、多少お高くても予約しておきたい。
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