高橋尚子さんが日本人最初の宇宙旅行者になるかもしれないとの記事が、女性週刊誌に掲載された。私はこの話を昨年から知っていた。仕掛け人は電通の広告ディレクターである。
宇宙開発事業団は将来、国際宇宙ステーションを広告の舞台として使用する時期がやってくることを想定して、コマーシャルフィルムの試作を公募した。選ばれたのが電通であった。
宇宙ステーションでロシア人宇宙飛行士が、窓越しに地球を見ながらスポーツドリンクを飲む場面が、もう一人の宇宙飛行士によって撮影された。
ロシアの規則は極めて緩く、コマーシャルでも、宇宙旅行者受け入れもOKである。電通の宇宙飛行士への演技指導は地上から行われた。演技に関してロシア人飛行士は全くの素人であった。地上の広告ディレクターは相当に苦労したとのことであった。フィルムは無事完成し、年末のコマーシャルとして大々的に放送された。
コロンビア号事故までは3人の飛行士が滞在していたが、現在はアメリカ人とロシア人それぞれ1人である。アメリカ人飛行士は規則によってコマーシャル活動に参加できないことになっているので、コマーシャル制作のチャンスは飛行士交代の時しかない。
電通はロシアと直接交渉して、有名人を国際宇宙ステーションに送り、コマーシャルを撮ることを企画した。第1候補は長嶋茂雄さんであった。これが実現したら凄い企画であると思った。残念ながら、長嶋さんは病に倒れた。
第2の候補が高橋尚子さんであった。尚子さんはアテネオリンピックに出ることが出来なくなり、国民の同情は最高潮に達している。日本人最初の宇宙旅行者にQちゃんがなったら、それは連日マスメディアを賑わせることであろう。実現してもらいたいものである。
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