大同大学

『月刊なごや』2002年8月号より

2度宇宙を飛んだフランス人女性宇宙飛行士クローディ・エネレ（Claudie　Haignere）さんが6月17日に研究・新技術担当大臣になった。彼女が最初に飛行したのは6年前である。往復の飛行とロシアの宇宙ステーション・ミール滞在あわせて16日間の宇宙飛行を行った。
エネレさんはパリで神経科学の研究者として働いていた時、1985年にフランス宇宙庁（CNES）の飛行士に応募し選抜された。彼女は選抜から初飛行まで11年待った。その間、宇宙飛行士の先輩であるJ.P.エネレ氏と結婚、現在45歳である。
フランスは宇宙開発にとても熱心な国である。ロケットの開発に力を入れる一方、ヨーロッパ宇宙機関の中心国として、有人宇宙船の開発にも力を入れている国である。独自の宇宙開発を行うと同時に、アメリカとロシアと等距離の関係を保ちながら、宇宙技術を取り入れてきた。日本にはとてもできる芸当ではない。
元来、フランスはロシアと深い関係があった。ロシアの上流階級はフランス語を話していた時代があったほどであるから、フランス人にとって、ロシアはアメリカより抵抗が少ない国なのかもしれない。
2001年、エネレさんは、再びモスクワ近くの星の町で9ケ月間、第2回飛行のための訓練を受けた。
2001年10月23日、2人のロシア人飛行士とともにソユーズ宇宙船で建設が続いている国際宇宙ステーションに到着した。8日間、国際宇宙ステーションに滞在し、ソユーズカプセルで帰還した。母国から熱狂的に迎えられた英雄である。そして、8ケ月後、大臣に就任した。フランスはやはりしゃれた国なのだ。

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