女性宇宙飛行士・角野直子さん(31)は妊娠6ヶ月だから出産予定は8月である。彼女は現在でも軽い訓練業務をこなしており、7月には産休に入る。
国際宇宙ステーションの完成予定が2002年から5年間も延びた上、ブッシュ大統領が当初予算からのオーバーを認めない決定をしたために、完成しても国際宇宙ステーションには3人しか長期滞在できないことになった。本来ならば、7人の飛行士が滞在できる予定であった。
「宇宙飛行まで早くても5年間待たなくてはならない。向井千秋さんだって宇宙飛行士最終候補者に決まってから、飛行まで9年間も待ったのだから、5年ぐらいはじっくり待つことにしよう。そうと決めたら、早く子供を産んで、子育てをしながら、宇宙飛行士ママになるのも悪くはないわ」と角野さんが考えても不思議はない。
事実、彼女は「あれはお母さんが乗った宇宙船なのよ」と子供に教えたいと、新聞記者のインタビューに答えている。国際宇宙ステーション建造には日本の担当分だけでも、約3,200億円の経費が必要である。その上、完成後毎年500億円が必要だ。宇宙開発事業団に宇宙ステーションチームが結成されてから既に15年が経過している。
角野さんは宇宙飛行士候補者に選ばれて直ぐに入籍、昨年9月に飛行士に認定されて間もなくの妊娠であるから、重圧にじっと耐えているだけの女性でない。頼もしい限りである。
女性の最長宇宙滞在記録188日をもつNASAの飛行士S.ルシドさんは2人の子持ちである。「家では、夫がしっかりと子供の面倒を見てくれるので、私は安心して宇宙長期滞在ができた」と語ったのを聞いたことがある。当然のことであると感じない人は頭の切り替えをする必要があると思う。
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