大同大学

『月刊なごや』2001年11月号より

女性として日本人2人目の宇宙飛行士が9月に誕生した。角野（すみの）直子、30歳、千葉県松戸市の生まれである。東大航空の修士課程を修了後、宇宙開発事業団（NASDA）に入社した秀才であり、趣味は琴、書道、スキューバダイビング、テニス、ジャズダンスときているから多才な女性である。
初代は毛利衛、向井千秋、土井隆雄の3人、2代目が若田光一、野口聡一の2人、3代目が古川聡、星出彰彦、そして角野さんである。実際に宇宙飛行をしたのは若田さんまでで、野口さんは来年の夏に飛行の予定である。
今年1月に若田さんの飛行報告会が開かれた時、NASDAの担当者から角野さんの両親を紹介された。母上が、「先月、娘が突然結婚したいと言い出し、すぐに籍を入れたのには驚いた」と云われたので、エッと聞き返したほどであった。実は角野さんの結婚をその時、はじめて知ったからである。
結婚式は宇宙飛行が終わってからにするという。彼女は国際宇宙ステーションで働く宇宙飛行士として認定されたばかりで、これが完成するまで飛行のチャンスはやってこない。同時多発テロの影響でステーションの完成は1-2年遅れそうなので、飛行まで最低5年は待たなければならないだろう。
向井千秋さんは籍を入れてから、飛行まで6年近くかかった。結局、結婚式はおこなわなかった。角野さん、どんなに質素でもよいから早く結婚式をおやりなさい。そのほうが、あせらず、のんびりと宇宙ステーションの完成を待つことができるものですよ。宇宙開発とはいかに長い時間を耐えることなのですから。

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