大同大学

『月刊なごや』2004年5月号より

飛行士の宇宙滞在最長記録はロシア人ポリヤコフの437日17時間である。当時のミール宇宙ステーションにはいつも2〜3人の飛行士が交代で滞在していた。一人で長期間宇宙滞在の例はない。現在、建設中の国際宇宙ステーションにはロシア人とアメリカ人の2人チームが6ケ月交代で作業を行っている。
コロンビア号事故でスペースシャトルの飛行が止まり、再開が遅れている。再開後は宇宙飛行士の宇宙ステーション滞在を1年間にすることが検討されている。飛行を待っている宇宙飛行士に意見を聞いたところ、ロシア人は大丈夫との返事であったが、アメリカ人は家族と1年も離れることは耐えられないとのことであった。
本当のところ、どれだけの期間、宇宙で耐えることができるのだろうか。火星への旅は片道9ケ月、火星から帰ってくる時、地球と火星の軌道の関係が都合よい時期を待たなければならないので、出発から帰還まで2年半程度かかる。
2年半もの間、狭い宇宙船の中で正常な精神状態でいることができるだろうか。アメリカは3人乗りを考えている。3人乗りと1人乗りでは大きさが全く違う。後発の国がアメリカに追いつくには1人乗りの小型宇宙船の方が有利である。しかし、本当に一人で2年以上も宇宙を旅することができるのだろうか。
あなたなら、どのくらいの期間、無事に帰る保証なしの狭いカプセルの中で過ごすことができますか？

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