「弱者ではありません。ジャクサです。」
10月1日に誕生した新宇宙機関名称紹介の席で、初代理事長の山之内さんは記者達を笑わせた。新機関の名前は宇宙航空研究開発機構、愛称JAXA(ジャクサ)である。宇宙開発事業団 (NASDA)に籍をおいていた私もJAXAへ移動、担当は今までどおり、国際宇宙ステーションの利用プロモータである。
宇宙ステーションが完成すると、その後の維持のために毎年約500億円がかかる。あまりにも高すぎる。少しでも、民間に任せてコストを削減し、サービス向上ができないだろうか。宇宙ステーション運用の民間活用がJAXAの重要テーマである。宇宙ステーションの民活という前代未聞の仕事に私も参加する。
JAXAは宇宙開発事業団と大学共同利用機関の宇宙科学研究所、旧科学技術庁所属の航空宇宙技術研究所の3機関が統合した組織である。JAXAは今までの日本の宇宙機関が、やりたくてもできなかった仕事を看板にしている。それは有人宇宙飛行を目指した研究開発である。
ええっ!日本が独自に宇宙飛行士を飛ばせるって本当!
そんなこと本当にできるのか? 安全は大丈夫か? 金はあるのか?
沢山の疑問が沸いてくる。今までは財政当局に有人飛行のための予算要求はタブーであった。巨額な経費をかけて、有人ロケットを造って、日本人を宇宙飛行させて何になるというのだろう。
私の見積によると、独自の有人飛行のためには、今までの宇宙予算に加えて年千億円程度が必要である。国民一人あたり毎年830円の負担になる。夢にかける経費として、高いか、安いかは国民が判断することである。皆さんはどう考えますか。
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