質問 18 (10.2006)
常用対数 log 2 の値が 0.3010であり関数計算のできる電卓を使えば簡単に求められることはわかっています。では、電卓のなかった昔、どうやって対数の値を求めていたのですか。筆算(手計算)で、やっていたはずですよね。筆算で log 2の数値を得る方法を教えてください。今、ここで、やってみて。
回答
この質問と要望には、完全なる降参でしたね。これまでに、まったく考えたこともない問題でした。授業後の教室で、私はM君(質問者)の目前で、ただただ途方にくれていました。でも、とても素直で鋭い質問だと思いました。
M君に回答したいということと、同時に私自身、この問題に強い興味をもって調べてみました。以下は片山孝次さんという数学者の著した岩波ジュニア選書202「数学公式徹底入門」(1992、片山孝次、大槻真)のp.71〜72からの全面的引用です。言葉使いだけはすこし私流にしましたが。
常用対数 log 2 は、おおよそ、いくつか?
1<2<10ですので、 100
<
2 < 101となり、0 < log 2 <1であることになります。
そこで、log 2 = 0.pqrs・・・・とします。(答に先回りすれば、p=3,
q=0, r=1, s=0ってことですね)
まず、log 2の値を小数点第1位まで求めてみます。つまり、pを得ようということです。
log 2 = 0.p・・・
両辺を10倍します。
10 log 2 = p.・・・
したがって、 log210=
p.・・・ 、210=1024ですから(これは筆算でできますね)、
103 <1024<104
ですから、 p=3となります。
次に、小数点第2位まで求めることを考えてみましょう。
log 2 = 0.pq・・・
両辺を100倍します。
100 log 2 = pq.・・・
したがって、 log 2100=
pq.・・・ 、2100= 1.27 x 1030ですから(これは筆算でできますね.。たいへんだけど)、
1030 <1.27x1030
<1031 ですから、 pq=30となり、p=3、q=0となります。
r、sを求めるのも、同じやり方です。もちろん、どんどん計算は、たいへんになってきますが。