質問 15 (12.2005)
「塩基性」と「アルカリ性」は同じでしょうか?違いがあるとすれば、なんでしょう?
回答
塩基性が酸性に相対する正式用語です。アルカリ性は、水溶液が塩基性を示すときに使われる用語です。
「アルカリ」は、もともとは植物灰・木灰を意味するアラビア語起源の言葉です。植物灰・木灰を水に入れかき混ぜますと、水溶液はアルカリ性を示すことは、昔から知られていて種々の化学工程で利用されていたようです。
なぜ、植物灰・木灰を懸濁(けんだく)させた水は塩基性となるのでしょう?植物灰・木灰には、炭酸カリウムK2CO3が含まれています。もともと植物に含まれていたカリウムが、燃焼とその後の空気中成分との反応でK2CO3になったのです。この化合物は水溶性ですが、なぜ塩基性を示すのでしょう?それは次のような反応がおこるからです。
K2CO3 → 2K+ +
CO32-
これだけでは、塩基性にはなりません。さらに・・・
H2O + CO32- ⇔ HCO3- + OH-
H2O + HCO3- ⇔ H2CO3 + OH-
の反応が引き続き(というか、ほぼ同時に)おこり、OH-イオンを生成します。これで塩基性となります。このような反応を加水分解といいます。