Q and  A

質問  6    (12.2004)

フロンによって成層圏のオゾン層が破壊されて薄くなり困るというなら、飛行機にオゾンを積んで成層圏までいき、ばら撒いて補給したらいいと思うのですが、どうでしょうか。
 

回答

同じことを考えた人は、これまでにたくさんいます。研究して論文を書いた学者もいます。しかし、現在ではこのアイディアは、残念ながら却下されています。オゾン層は成層圏(上空10-50km)にあり、数ppmのオゾン(O3)濃度で地球全体を取り囲んでいます。太陽からやってくる有害な紫外線のフィルターの役目を果たしていることは知っていますよね。このフィルター(オゾン層のこと)、薄くなっても困るけれども、逆に厚くなりすぎても問題なのです。生物および地球環境に必要な光、紫外線をカットしすぎることになるからです。オゾン層のオゾン濃度、層の厚み、オゾン層の高さなど、大変微妙なバランスのもとに存在しています。このバランス関係は地球の何十億年という長い時間をかけて成立したものです。オゾン層が現在のバランスを完成した後に、現在の生物繁栄の環境が出来上がったとも言えるわけです。したがって、人工物質の放出によってオゾン層を破壊することが大問題であることを認識すべきです。それと同時に、壊れたからといって簡単に修復することはできないのです。上空に行ってオゾンをまいてきても、上に述べた微妙な濃度のオゾン層を地球全体としてコントロールすることは不可能と言ってよいでしょう。

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