
TOP > 初夢 > 2006年9月30日05時55分
『電気製鋼(2003)』より

私は2人のロシア人飛行士とカザフスタン共和国にあるロシアのロケット打ち上げ場の朝靄のなかで立ち小便をしていた。打ち上げ直前、ロシア人宇宙飛行士は射場で放尿することがソ連時代以来の伝統であった。狭いソユーズロケットの司令船の中で体を固定されたまま打ち上げが延期された場合の排尿は、事前に装着した紙おむつにするしかないので、直前の放尿は必須のことであった。
我が国も参加している国際宇宙ステーションの建設は延びており、日本人宇宙飛行士達はしびれを切らして完成を待っていた。私だけが抜け駆けして未完成の国際宇宙ステーションのロシア居住区に滞在することは許されることではないと非難した新聞記事があったが、大方のメディアはむしろ痛快なできごととして面白がっていた。
高齢者の星として宇宙へ行くのだ。誰にはばかることはない。私は強気であった。しかし、ロシアでの訓練は予想よりはるかに厳しいものであった。何度も音を上げそうになったことか。なんでこんな馬鹿なことをしなければならないのかと独り涙を流したことが何度もあった。
2人のロシア人飛行士とソユーズ司令船の狭い座席に固定されながら、ただより高いものはない、ロシアは私に何を代償として求めているのか、急に不安になった。打ち上げ時の加速による荷重はシミュレータによって経験済みであったが、むしろ、振動と騒音の方が想像していたよりも激しいものであった。
司令船とロケットが切り離され、無重力状態になる。だんだん、気分が悪くなる。宇宙酔いだ。吐き気?痛、むかむか、正に二日酔いの気分だ。
2002年1月2日早朝5時45分に見た初夢である。目覚めの後は本当の二日酔いであった。さあ、今年も頑張ろう。