・ルービックキューブ
1980年に登場したこのパズルは、構造の不思議さと難しさで大ヒットしました。下の写真のルービックキューブがそのときの形で、3×3×3ルービックキューブと呼びます。その後4×4×4、5×5×5、2×2×2、または三角錐のものなど変形ルービックがたくさん出てきましたが、やはり基本は3×3×3でしょう。
・2×2×2
ルービックキューブの仲間で一番簡単なのが下の2×2×2キューブです。これは3×3×3キューブの8つの角だけを揃えるのと同じ問題になります。
これなら簡単と思う人も多いでしょう。ならば、3×3×3のときと同じように、「どんな状態でもN手で解ける」というNを考えてみましょう。何手だと思いますか?・・・答えは14手(180度回転も1手と数えるなら11手)。
どうして分かったかというと・・・。全面揃った状態から1手でできる形を全部記録します。つぎに、今できたそれぞれの状態からさらに1手先で現れる新しい形を全部記録します。これをず〜っと繰り返します。そうすると14手目から先は新しい形が現れません。つまり14手ですべての形を作ってしまったということです。手順を逆にたどれば、どんな状態からでも14手あれば完成させられるということです。
この計算は多くの状態を記憶するのでメモリーがたくさん必要です。こんな単純そうな2×2×2の場合でも、全部の状態数は3674160通りあります。メモリーが小さかった時代のパソコンでは結構大変な計算でしたが、現在のパソコンなら比較的簡単に計算できます。
・4×4×4 〜 7×7×7 〜
ルービックリベンジという名前で4×4×4のキューブが発売され、続いて5×5×5のプロフェッサーキューブも出てきました。元祖のルービックキューブでもその構造に驚かされましたが、4や5ではさらに信じられないものでした。さすがにこれで終わりかと思っていたら、7×7×7と6×6×6も出てきました。今のところ市販品としては13×13×13まであるようです。こうなると、買ってみても崩すのに勇気がいりますね。
・3×3×1
キューブ(立方体)ではありませんが、ルービックキューブの仲間としては最も簡単なものです。単純とは言っても構造がどうなっているのか不思議ですね。
全体が回転しないように中央の小キューブが動かない範囲で動かしてみましょう。つまり(1,3行または1,3列の3個の小キューブを180°回転することを1手とします。すると、最大8手で192通りの状態を作り出すことができます。逆に言えば、どんな状態からでも8手以内で元の状態に戻せるということです。
計算はメモリーも僅かで済みますから、ぜひパソコンで計算してみてください。
・2×2×1
もっと簡単なものがありました。パズルと言えるのかどうか? ここまで単純化しても構造は面白いですね。
ひとつのキューブを固定すると残り3個が動くだけです。しかも位置が決まれば向きも決まってしまうので、状態数は6しかありません。どんな状態からでも3手以内で元の状態に戻せます。
・2×2×3
これも立方体ではありません。2×2×2よりキューブの数は多いのですが、2×3×1の部分は180°しか回せませんからその分だけ単純です。総状態数も2×2×2より少なくなっています。ただし最少手数は18手と増えています(2×2のブロックは90度で1手とカウント)。
・3連2×2×2
2×2×2が3つ連なったものです。いろいろな形に変わるのですが、実際は動きが硬く無理に回すと壊れそうです。こんなものが存在するというだけでいいでしょう。4連のものも発売されたようです。
似た三角のパズルがPyraminxという名で発売されていますがそれとは構造が違います。このパズルの各頂点の三角錐は内側の部分とくっ付いていて回転できません。
ところでこのパズル、見かけは三角ですが、その正体は2×2×2キューブなんです。???。ピラミッドパズルを徐々に変形していくと2×2×2キューブになってしまいます。
1) まず、各頂点の動かない三角錐を切り取ってしまいます。そうすると構造の中心部分だけが現れます。そして回転軸が分かりやすいように正立させておきましょう。
2)今度は回転軸から少しずつ離して各部の形が分かるように描いて見ます。そしてばらばらになった三角錐を立方体に変形させます。最後に再び合体します。
どうですか?同じでしょう。
下の写真の12面体のルービックキューブ風パズルです。商品名は"LanLan 2x2x2 Dodecahedron"。
これも明らかに2×2×2キューブと同じ構造です。でも見た目には全く違うし、配色に惑わされて意外と難しくなっています。
参考文献: キューブパズル読本, 新紀元社, 2004年, 秋山久義 (キューブパズルのほとんどを網羅)
大同大学 情報学部 大石研究室