異体字

 コンピューターでは漢字の扱いで様々な問題が起こります。初期のワープロでは使える文字の種類が少なく、珍しい漢字は自分でフォントを作るというようなこともありましたが、今では大抵の漢字は使えますよね。ところが漢字にはまだまだ問題が多いのです。そのひとつが異体字です。同じ漢字だと思ったらちょっと違うということありませんか。同じワタナベさんなのに渡辺、渡邊、渡邉というようにいろいろな字が使われます。面倒だなぁなんていったらワタナベさんに失礼でしょうか。
 それでも目的の文字が画面に出てくればいいのですが出てこないと困りますね。しかもよく使う文字が出てこないとなおさらです。ちょっと前までは東京の葛飾区の人たちが困っていました。そして今は奈良県葛城市の人たちです。今、みなさんのパソコンの画面で「葛」の字の下の部分は「ヒ」ですか「人」ですか。Windows XPなら「ヒ」,Vistaなら「人」になっていると思います。これも異体字ですが「辺」「邊」のように別の字として登録されていません。文字コードは同じなので使うフォントのセットによって形が変わってしまうのです。
 Vistaが出たときマイクロソフト社がいくつかの漢字フォントを変えました。でもこれはマイクロソフト社が気まぐれで変えたわけではありません。文科省やJISの規格が変わったことを受けてのことなんです。だから余計問題がこじれて大変なんです。「葛」以外でも話題になるのが「シンニョウ」。同じシンニョウなのに「道」と「辻」で違うって知ってました? (XPでは同じ)。
 「葛」にしても「渇」や「褐」はVistaでも「ヒ」なんですよね。どうなっているのかなあ。どっちでもいいと思うんですが、心配なのは頭の固い国語の先生たち、漢字のテストで生徒を悩ませないでくださいね。--- Y.O. ---



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