帯域幅とは、通信に使う電波や光の周波数の範囲のことです。ラジオで、ある放送局が900kHz(キロヘルツ)の電波で放送しているとしましょう。このとき実際には900kHzだけでなく、その上下の範囲の周波数も使っています。そしてその上下に拡がる範囲を帯域、その周波数の幅を表す数を帯域幅といいます。
インターネットでもこの帯域幅という言葉が聞かれますね。ブロードバンドとは「広い帯域幅」です。そしてブロードバンドは通信速度が速いということになっています。では帯域幅が広いとなぜ通信速度が速くなるのでしょうか。帯域幅によって光や電波の伝わる速度がかわるのでしょうか。
実は誤解されやすいのですが、電波も光も導線を伝わる電気信号も伝わる速さはいわゆる「光速」つまり毎秒30万kmというすごい速さなのです。でも通信速度に差がでるのはなぜかというと、情報を伝えるためには状態の変化を伝えなければならないということなんです。ゆっくりの変化なら遅い振動でも伝えられますが速い変化は速い振動でなければ間に合いません。
コンピューターの情報は0と1の変化ですね。ですから1秒間に01の変動を何回表せるかで通信速度が決まります。実際は電波や光の振動を単純に使うのではなく「変調」という操作をして01信号を送ります.そのとき、周波数が高い(振動数が多い)だけでなく、使える周波数の幅が広くないと通信速度を上げることができないことになります。
こんなわけで通信速度イコール帯域幅のような使われ方がされてしまうのですね。一般のユーザーに説明するのなら単に通信速度が速い遅いで表現するだけでいいと思うのですが…。
ところで帯域幅は英語で Band Width といいます。これをカタカナで書けば,「バンドウィドゥス」が妥当なところでしょう。でもときどき「バンドワイズ」というのを見かけます。靴の業界でも幅(width)をワイズというようですが、一体だれが決めたんでしょう。ワイズ(wise=賢い)な人だとは思えませんね。--- Y.O. ---