級数とは、数学で出てくる言葉で数列の和を表します。等比級数とか、級数の収束とか習ったのを覚えていませんか。Σ の記号と格闘した人もいるかもしれません。
さて、その級数がなぜ大切かというと、コンピュータで数値計算をするときにとてもよく使われるからです。数値計算といえば、sin、cos の三角関数やら、log の対数やら、いろいろな関数がでてきます。でもコンピュータは初めからこれらの関数を計算する能力を持っているわけではありません。コンピュータが基本的にできるのは+−×÷の四則演算だけなんですが、級数を使うと複雑な関数も四則演算の組み合わせでできるというわけです。
たとえば有名なネピアの数 e (2.71828…)は下のような級数で計算できます。
円周率の計算も級数です。私たちにはみえないところで数学の級数論というのはとても役に立っているのですよ。
ところで、「級数」はぜんぜんちがうところでも使われます。それは文字の大きさ。1級が0.25mmです。日本の印刷業界で使われる単位です。わたしたちがワープロを使うときはフォントサイズをポイントで表しますが、こちらは1ポイント0.3514mm(JISの規格)ですからまったく一致しません。ここでも単位の不統一が問題になるわけです。--- Y.O. ---