第5世代

 かつて、コンピューターの発展の歴史を世代で表現するということがありました。ENIACに代表される初期のコンピューターから1980年代のものまでを、次のように電子回路の形態で分類したものです。
 第1世代 真空管
 第2世代 トランジスタ
 第3世代 IC (集積回路)
 第4世代 VLSI (超高密度集積回路)
 コンピュータの授業では必ずこの話が出てきて、コンピューターの高速化、小型化の歴史が謳歌されたものでした。それで、次の第5世代は何か?というときに、当時の通産省が提唱したコンピューター開発プロジェクトが「第5世代コンピュータ」だったのです。
 そこで目標とされたのは、推論、知識ベース、知的インターフェイスなどのいわゆる人工知能関係の問題です。当時はいろいろな分野でもてはやされたようですが、これといった成果が出ることもなく尻つぼみに終わってしまいました。人工知知能向けプログラム言語Prologなんてものもありましたね。これ、今でも使われているのでしょうか。
 それまでの世代論に乗っかって命名されたプロジェクトなのに、分類の趣旨が第4世代までと違っていたことが世代論に水をさしたことになってしまいました。マイクロプロセッサや並列処理、分散処理などの登場を考えれば世代論は続けられたのでしょうが、プロジェクト名に使ったことが災いして世代論自体も消えてしまったのでした。--- Y.O. ---



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