解凍

 解凍とは、圧縮されたファイルを元通りにすることを言います。つまり、圧縮の反対語として使われます。でもなぜ解凍なのでしょうか。保存のために冷凍しておいた食品を食べられるように元に戻すのとイメージが重なるとは思いますが、何か変じゃないですか。
 解凍の反対は冷凍または凍結ですが、ファイルの場合そうは言いませんね。ちゃんと圧縮といいます。それに、一般に水分が凍ったものは解けると体積が減る傾向があるんですが…。
 では英語からの訳語かと思うと、そうではないようです。英語の場合は非常に分かりやすく、decompressといいます。正にcompress(圧縮)の反対ということで実に分かりやすい言葉です。
 日本語でも展開とか伸長という表現があり、意味としてはその方が正しいと思います。でも解凍は既に辞書に載るまで市民権を得ているようです。解凍レンジというファイル展開ソフトまで出ています。
 ところで、解凍にはもうひとつ別の意味があるのをご存知ですか。それは七十二季節のひとつで、旧暦の一月十五日ころを表す言葉です。暖かくなって、凍っていたものも解け始めるという意味なのでしょう。でも、旧暦の一月十五日は新暦だと遅くても3月上旬、早いときは2月の初めです。昔の人はせっかちだったのですかね。--- Y.O. ---



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