スカラーとはひとつの大きさや量を表す数のことです。高校でベクトルを習うとき、ベクトルじゃない普通の数がスカラーだと教えてくれます。また、スカラーは大きさだけ、ベクトルは大きさと方向を持つなんていい方もします。
ところで、スーパーコンピューターでベクトル計算機というのを聞いたことがあるでしょう。これはベクトル(複数の数値の組)をいっぺんに計算できるコンピュータです。それに対して従来型の1個ずつの数値しか計算できないのがスカラーコンピュータです。でも、スーパースカラー(スーパースケラー)コンピューターは、スカラーであっても並列処理によって速度を上げる方式を採用しています。
このスカラーですが英語では scalar 。ちょっとスペルを変えて scaler とすると、scaleする人、つまり測る人になってしまいます。また、スカラーシップのスカラーは scholarと綴ります。奨学金、学者(主に文科系の)の意味になります。
スカラー、ベクトルという読み方はたぶんドイツ語から入ったものでしょう。英語読みならスケイラー、ヴェクターとなりますが、数学ではやはりスカラー、ベクトルの方がいいですね。--- Y.O.
大同工業大学 情報学部 大石研究室