KISコード

 日本漢字能力検定協会の変換ミスのコンテストで「馬食い家内が象サイズになった」(巧くいかない画像サイズになった)が変漢賞に選ばれたそうです。このように日本語の誤変換は笑いのネタになってしまいますが、それでも現在の日本語入力システムは非常に高度な処理を行っているのです。読みから漢字かな交じりの文に変換してくれる便利な方式が普及したのは、そんなに古い話ではなく1980年頃のことでした。
 それまでは和文タイプのように1000個以上もある文字の表から直接選んだり、文字コードを直接入力するという非常に面倒な作業をしていました。それで、多少でも作業効率を上げようとして考案されたのがKISコードです(KIS は Kanji Input System の略)。
 これは漢字1文字についてカナ2文字をキーボードから入れる方式です。「上」のようなものはウエと素直な読みですが、「車」はカアです。まあ分かりますね。「薬」はルル(三共製薬[当時])。ちょっとしたジョークかな。では、ミケとはどんな文字でしょう…。答えは「傑」なんです。ミケランジェロの傑作からきているとか。
 今でこそ笑い話ですが当時はまじめにKISコードを覚えていた人たちがいたのです。コンピューターの技術のなかには、このように後で何の役にもたたないというものがたくさんあります。もったいないですね。KISコードの時代から比べると、今の日本語入力システムは 少し暗い五編関しても いいかと思ってしまいます。--- Y.O.

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大同工業大学 情報学部 大石研究室