ファクシミリと正式な名前で呼ばれることは少なく、普通はファックスと呼ぶでしょう。ファクシミリの歴史を調べると、その原理が発明されたのは驚くことに1840年代で、電話の発明より30年以上古いのです。実用化は電話より後のことですが、それでも昭和の初期から使われているそうです。
画像を電気信号に変換して送る装置というと、いかにもディジタル的な器械という感じなんですが、ファクシミリはIT機器か?といわれると「そうかな」と首をかしげるかもしれません。それは、やはり歴史の古さのせいでしょう。また最近は電子メールなどに押されて少し影が薄いようでもあります。
ところでファクシミリ(facsimile)という名前を分解してみるとfacは「作る」という意味で、factory(工場)やmanufacture(手工業)と同じ語源です。後半のsimileはもちろん「似ている」という意味です。similar(似ている)とかsimulation(模擬実験)と同じです。そうするとファクシミリとは「似たものを作る」ということなんですね。
ファクシミリが普及し始めた頃の笑い話があります。
課長 「このファックス壊れているぞ」
部下 「どうしてですか」
課長 「何度送っても、原稿が戻ってきてしまうんだ」
本当に原稿そのものが相手に送られたらすごいですね。SFに出てくる物質伝送機です。--- Y.O.
大同大学 情報学部 大石研究室