今、パソコンと呼んでいるものの原型が登場した当時、それをマイクロコンピュータ(microcomputer)といいました。それ以前に大型計算機より小型のコンピュータをミニコン(minicomputer)と呼んでいたので、ミニより小さいという意味でマイクロといったのです。でも、アメリカでは次第にパーソナルコンピュータ(personal computer)と呼ぶようになったため、日本でもそれを略した「パソコン」の方が一般的になりました。
ところが、日本ではその後、マイコン付きエアコンとかマイコン内臓洗濯機というようなものが現れてきました。この場合のマイコンとは、画面やキーボードのあるコンピュータではなく、コンピュータのIC(集積回路)をさしています。正確にはマイクロプロッセッサ(microprocessor)と呼ばれるものです。同じ言葉なのにいつの間にか意味が微妙に変わってしまったんですね。
当初、マイコンという言葉が使われ始めた頃、マイコンのマイはマイクロであると同時にマイ(my、私の)だと説明されていました。マイカーとかマイボールとかのノリですね。ただ、これは和製英語です。マイなんとかという表現はいつから使われるようになったんでしょうか。単なる流行語以上に定着しているようです。最近は、環境のために「マイ箸を使おう」なんていってますよ。--- Y.O.
大同工業大学 情報学部 大石研究室