サラウンド

 音の録音はエジソンの蓄音機発明(1877年)以来どんどんよくなってきました。でも音の情報というのは音質だけじゃありません。どちらから聞こえるかという方向感覚も重要なんですね。
 音楽であれば、通常は左と右の2つのスピーカーを使って音の拡がりを出すステレオが主流です。でも、映画の音などは左右ばかりでなく後ろからも音が聞こえるというようになってきました。つまり360度すべての方向からの音を再現するために、リスナーを囲んでたくさんのスピーカーを置きます。これがサラウンド・サウンド。サラウンド(surround)とは取り囲むという意味です。
 実は1970年代に4チャンネルステレオというサラウンド方式がありました。しかし、アナログ時代の限界のため十分にリアルな音場が再生できず、いつのまにか廃れてしまいました。時代が進み、コンピューターによる音のディジタル処理が可能になり、またDVDなどのソフトも充実するとサラウン・ドサウンドが一気に普及し始めたのです。
 今、一般に使われているのに5.1チャンネル方式というのがあります。前方に左、中央、右、そして後ろの左右で5チャンネル。で、あと 0.1 は? これは前に置く低音専用のスピーカーですが、低音は音の方向感覚にあまり影響しないので 0.1 チャンネル程度の情報しかないという意味なんでしょう。
 専用の劇場ではもっとたくさんのチャンネルを使うものもあります。でも一般家庭でそんなにスピーカーを置けるという家はなかなかないでしょうね。 --- Y.O.

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