ワープロやエディターには「挿入モード」と「上書きモード」があります。挿入モードは、文章の途中で入力した文字がカーソルの位置に挿入されていく状態です。これに対して上書きモードでは、新たに入力する文字が以前の文字を消してしまいます。
ワープロが普及し始めたころは、このモードの使い分けがしっかり教え込まれていましたが、最近はあまりやらないようです。それで、誤って上書きモードに入ってしまった人が抜けられずパニックになるという場面も見かけます。
知っている人にとっては簡単なことですが、上書きモードはあまり使うことがないので知らない人がでてきても仕方がないのかも知れません。現在のWindowsのメモ帳(エディタ)には上書きモードがありません。また、WordでInsertキーを押すと「上書きモードにしようとしています」という警告が出る場合があります。昔に比べるとカット、ペーストなどが楽になったので敢えて上書きモードにする機会も減ったのでしょう。
よく考えると挿入モードというのは結構複雑な処理なので、コンピューターには上書きモードの方が軽い仕事なわけです。そういえば、昔のパソコンでは挿入すると文字を後ろに送るのにも時間がかかるなんてことがありましたね。挿入がもはや重い仕事でなくなったことも、上書きモードが忘れられる理由なんでしょう。 --- Y.O.