ブート

 コンピューターを起動することを「ブートする」といいます。ブートとは長靴(Boots)ですが、どういう関係があるのでしょうか。それはコンピューターを起動するプログラムがブートストラップ(Bootstrap)と呼ばれていたことに由来します。このあたりまではいろいろな文献で一致しているのですが、その先については諸説紛々でかなりうそ臭いものもあります。
 たとえばブートストラップというのが靴紐を編み上げるように複雑な手順だからというものがあります。でもこれは明らかに間違い。ブートストラップというのは靴紐ではありません。ストラップはブーツを履くときに引っ張りやすいようにつけてある革製の輪のことです。
 初期のコンピュータでは起動の過程を人間がいちいち操作していました。それを自動実行できるようにしたのがブートストラップです。英語で、pull oneself up by one's own bootstraps というのが自力で進むという意味を表すことからきているといわれます。では自分のブートストラップを引っ張るというのはどういうことなのでしょう。
 湖に落ちそうになったとき、自分で自分のブートスラップを引っ張り上げて助かった、という話が「ほら吹き男爵」という本に出ているとか。でもこの本を読んでみると引っ張ったのはブーツではなく髪の毛でした。またしても迷宮入りです。
 その他に、ネットで検索するとガリバー旅行記に出てくるだとか、それらしい話がぞろぞろ出てきます。ネットの気楽さというのか無責任さというのでしょうか。薀蓄(うんちく)を傾けるにしても多少は裏を取って欲しいものです。 --- Y.O.

→ IT用語 INDEX へ       → TOP へ