コンピューター用語の中には、普通の辞書で調べても全然意味が分からないものがあります。このトークン(Token)もそのひとつ。トークンは普通によく使われる言葉で、辞書に出ている意味は、しるし、証拠、記念品などです。でも、どれも理解の助けになりません。
まず、トークンという言葉は、プログラム言語や、OSコマンド(命令)の構文解析の話で出てきます。この場合は「字句」と言う意味で、文を作る最小の構成要素を指します。たとえば、 cat=dog+3; という文を / cat / = / dog / + / 3 / ; / とトークンに分解します。ただそれだけのことなのに、トークンなんていわれるととても難解に聞こえてしまうでしょう。
もうひとつよく耳にするのがトークンリング(Token Ring)です。これはLANの通信方式を表す言葉です。全体が輪になるネットワークで、トークンという「送信権」を付けたデータがリング上を流れます。トークンを持っているものだけが送信でき、リング内には同時にひとつのトークンしか流れないので衝突が起こりません。と利点はあるのですが現実にはイーサネットにおされてあまり使われていないようです。
トークンのように意味の広い単語だと、いろいろな人が好きなように使ってしまうのでしょうね。 --- Y.O.