セキュリティ(Security)とは保安と訳されます。いまやITの世界でも最も重要な問題になってしまいました。ウィルス、ワーム、スパイウェア、スパムメール、ワンクリック詐欺、個人情報流出、…と毎日コンピュータ犯罪のニュースが絶えません。また、PCショップで、ソフト売上げランキングの上位は常にセキュリティ対策ソフトだというのも皮肉な話です。なぜこんなことになってしまったのでしょうか。
コンピュータ犯罪のほとんどはネットワーク絡みです。インターネットが普及する前は、そんなに頻繁に起こることではありませんでした。しかし、パソコンがあたりまえのようにインターネットにつながると話は一変してしまいます。なぜでしょう?それはネットワークの仕組みやOSなどプログラムが犯罪に対して無防備だからです。よく脆弱性という言葉で説明されますが、悪意と技術力があれば侵入できるような穴(セキュリティホール)がいっぱいあるのです。
もちろん穴をなくす努力はされていますが、それでも次々と破られるのはインターネットネットの基本設計が、もともと犯罪を想定していなかったからでしょう。研究者中心に使われていた時代は、とにかく便利にすることしか考えていませんでした。それが1990年代にそのまま一般・商用に開放されてしまったのです。
電子メールはいまだに裸で送信されています。覗く人なんていないという前提で作られたからでしょう。こんな状況になってもすべてのメールを暗号化して送るという人はまだ少ないでしょうね。危機感は自分で感じなければいけないのかもしれません。 --- Y.O. ---