サンプリング

 A/D変換では、アナログ信号を一定時間の間隔で測定して数値化します。つまり、時間的には飛び飛びにデータをとることになります。そして1秒間の測定回数をサンプリング周波数(単位Hz)と呼びます。
 ここで、サンプリング周波数が低すぎる(間隔が粗い)と信号が不正確になってしまうことは明白です。しかしサンプリング周波数を高くすると、記録するデータの量が増えてしまいます。そこで、正確さを失わないでサンプリング周波数をなるべく低くすることになります。情報工学で習うサンプリング定理によれば、「処理する信号の最高周波数の2倍」以上でサンプリングすればよい、ということです。たとえば人が聞く音の最高周波数は約20000Hzなので、40000Hz以上のサンプリングが必要です。実際、CDの音楽データはこれに少し余裕を持たせて44100Hzとなっています。
 「処理する最高周波数の2倍以上」という条件を守れば、飛び飛びのデータでも完璧に信号を再現できます。近似的なのではありません。このことは数学を使ってじっくり考えないとなかなか理解できません。そのため、ディジタルは飛び飛びだから不正確だという誤解が生じるのだと思います。現実に信号の正確さは、これ以外に量子化のビット数やアナログ処理部分の性能などいろいろな要因があるので単純ではないのですけれど・・・。   --- Y.O. ---

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