金融機関での勤務や北海道大学助教を経て、2015年10月より現職
会計基準はどのようにして設定・変更されるのかについて研究しています。近年、とりわけ米国などにおいては、会計基準が経済政策との関係から設定・変更されるという事例が散見されるようになってきました。このような事例を題材として、会計と政策との関係を学際的に考えるという研究を行っています。加えて、会計職業倫理の基準についても研究しています。これは、会計に携わる人々の行為を律するための基準であり、やはり様々な政策に影響を受けて設定・変更されるという一面をもっています。
会計基準は、毎年変化していくものであるため、近年まで正しいとされていた会計処理が現在では正しくない、という現象が起こり得ます。このような、会計基準の変化は、社会にとって必要なものではありますが、実務に従事する人々や会計を勉強する学生にとっては悩ましいものでもあります。私も学生の頃は、毎年変わる基準を覚えるのに苦労しました。このような、会計基準の変化について、苦労しながらも魅力を感じ、勉強を進めていくうちに、これを研究テーマにすることとなりました。
上述のとおり、近年の会計基準の設定・変更を論じるにあたっては、会計のみならず、経済情勢や社会的な事情などの当該基準の背景を知らなければならないことが多くあります。このように、本研究には、会計学にとどまることのない学際的な性質が備わっており、ここに魅力を感じております。