髙栁 伸一 教授 [Shinichi TAKAYANAGI]

プロフィール

学歴
平成5年 米国オレゴン大学社会学部卒業
平成8年 大同工業大学(現大同大学)大学院工学研究科修士課程建設工学専攻修了
平成17年 東京大学大学院工学系研究科博士課程建築学専攻修了

学位
博士(工学)

現在までの経歴
大同大学非常勤講師
名古屋造形大学非常勤講師

現在の研究テーマ

専門は西洋建築史と都市史で、その中でも、16世紀から17世紀のスペイン帝国における軍事建築と都市を主に研究しています。当時のスペインは、中南米やフィリピンを含む広大な地域の支配権を有していました。帝国の維持拡大のため、組織的に都市の防御整備を進めていましたが、その要塞化事業の専門家が建築家と軍人の双方の職能を備える「工兵 military engineer」でした。当時を代表する工兵の活動を系譜的に分析することで、世界史と連動したスペイン帝国の都市・建築について考察しています。

研究テーマの魅力

工兵を焦点に置いた都市・建築史の研究は国内では新しい分野である点に加えて、豊富な一次資料に基づく実証的な研究が可能となります。スペイン留学中には多くの時間を史料の調査に費やしましたが、豊富な史料があることを知り、将来の研究に対する期待が膨らみました。世界的に領土を拡張したスペイン帝国に関する研究であるため、多くの興味深いテーマを設定できます。建築や都市は歴史や社会文化と密接に関係しています。大きな歴史的な出来事が建築や都市に影響を与える場合も少なくありません。このことから、建築や都市の中に当時の人々の価値観や人間の営みを見いだせますが、逆説的に都市や建築から新たな歴史が描けるかもしれません。工兵は歴史と連動して活動しており、彼らを通じて理解できる建築や都市から見えてくる歴史観もあると期待しています。

MESSAGE

在学生へのメッセージ

建築は非常にすそ野が広いです。構造、材料、環境、設計、デザイン、歴史意匠等というように、建築という世界は相互に異なる専門領域から成り立っています。このように、多くの入り口が存在する点は建築の魅力のひとつだと思います。皆さんは建築の世界に足を踏み入れたわけですから、その中で打ち込める”何か”に出会えることを期待しています。

受験生へのメッセージ

建築はとても魅力的です。そして大同大学にはその魅力を皆さんに伝える環境が整っていると思います。工学系大学ならではの質の高い教育が本学にはあります。ぜひオープンキャンパス等に参加して大同大学を体験してください。