学歴
昭和62年 名城大学理工学部Ⅰ部建築学科 卒業
平成元年 名古屋大学大学院工学研究科博士課程前期課程建築学専攻 修了
学位
博士(工学)
現在までの経歴
平成元年 フジタ工業株式会社(現:株式会社フジタ) 入社
平成 3年 名古屋大学工学部建築学科 着任
平成11年 大同工業大学建設工学科 着任
倒壊挙動を含む建築物の地震応答の概算手法に関する研究、空間構造を中心とした特長ある構造システムの研究
前者の研究は、強震動を受けて損傷した建築物が、どの程度大きく変形するのかを、詳しいシミュレーションに依らずに大まかに把握するための方法を追求するものです。後者の研究は、無柱で大きな面積を覆うことのできる屋根構造などを対象に、力と形の関係に基づいて、より優れた形態や仕組みを模索する研究です。
地震応答の概算手法については既存の方法もありますが、私が行っているのは独自のアイデアに基づく理論を基にしたものであり、従来のものよりも対象となる問題を広げられるのではないかという手ごたえを感じています。研究を進めるにつれて、地震の揺れの性質と建築物の被害の関係を大局的にイメージできるようになるのも興味深いところです。特長ある構造システムの研究では、通常のビルとは異なる性質を持つ構造を相手にするため、大いにイマジネーションをかきたてられます。ちょっとしたアイデアであっても、新しい発想が形になるときの充実感は何ものにも代えがたいものがあります。
私は大学の教員になる前の若い頃、少しだけ民間企業に勤めていたことがあります。自らの力を試すことができるという期待と、うまくやっていけるかどうかわからない不安を胸にその企業を退職するとき、ある大先輩が別れ際に次のような言葉を送ってくださいました。
「反省はしても後悔はするな」
その後ずっと心に残り続けた言葉の一つです。