新・日々雑感(文庫)

2007.11.1 〜 2007.11.30
 
 

■ 2007/11/29 (Thu)  常磐ハワイアンセンター

NHKアーカイブという番組で常磐ハワイアンセンターがオープンして5?6年の状況についてのドキュメンタリーが放送されていた。昭和41年開設だそうだ。

昭和60年前後は20年目あたり・・・このころ前任大学の研究室で助手だった。春と秋に研究室のメンバーで旅行にいいっていた。「今度は、どこにいこうか」と相談が始まるあたりから、盛り上がってくる。幹事は大学院生だが、私はこのころ、何故か無性に常磐ハワイアンセンターに行きたかった。毎回「常磐ハワイアンセンターに一票」と意思表明するのだが・・・

若者の反応は「なんですか、それ」、「ダサくありません。それって」・・・
残念ながら、毎回却下。結局かの地・常磐ハワイアンセンターには行けずじまい。
平成2年には、スパーリゾート・ハワイアンという、あまりおもしろくもない名前に変わってしまった。

ところが!
昨年の映画「フラガール」のヒットで、常磐ハワイアンセンターは一躍大脚光を浴びる。

行っておけばよかっただろ!
あのころの仲間たちよ。
 

■ 2007/11/22 (Thu)  猿のマスク

「猿の惑星」の5つのシリーズが、テレビで放映されている。大好きな映画だから、とりあえず録画する。第一作目は1968年の封切というから、高校生のころだ。
 思い出がある。「少年ナントカ」(名前を秘しているのではなく、忘れただけ・・)という週間漫画誌のグラビア写真に、当時話題になっていたこの映画の猿のマスク、特殊メークが掲載・紹介されていた。興味をもって眺めたが、「猿と人間が逆転する?御伽噺かいな。アメリカって国ではずいぶん幼稚な映画が流行るものなのだね」との感想を抱いたものだ。その「猿の惑星」映画を観たのは、それから10年後くらい。幼稚なのは自分だったことに気がついた。
 

■ 2007/11/20 (Tue)  感謝祭とたべもの

コンビニでは、クリスマスケーキの予約、年賀状印刷の広告が目立つようになった。年末だ。アメリカでは感謝祭(Thanksgivings)だ。19年前の今日か明日、家族5人でカリフォルニアに渡ったのだが、到着した次の日決意も新たに大学/研究室に行ったら、ボス(=親方)教授に「明日から、一週間大学休みだよ」って言われてびっくりた。「感謝祭」だった。聞いたことはあっても、実感したことはそれまでなかったので、「何だ。そりゃ?」
 1年経って、2回目感謝祭近くになったころ、小学校2年生になった娘が、図工の授業での作品を持ちかえった。テーマは「サンクスギビング」。赤や緑など色鮮やかな豆を糊で画用紙に貼り付けて描いた鳥か動物の絵だった。農産物への感謝の気持ちということで、小学校の先生は豆を使ったのだが、日米の感覚のちがいを感じた。食物あるいは食材を、食べるという目的以外で教材にすること・感覚は日本にはほとんどないのではないか。オープンマインドで親切なアメリカ人は大好きなのだが、このあたりは違和感をもって帰ってきた。
 それで、思い起こすのは昨今の「バイオエタノール」である。CO2をリサイクルさせる・・化石燃料を使わない・・・その点は分からないが、世界的にみれば食料不足なのに、やや政治的臭いもするそんな理由で食べ物を燃料に変えてしまって大丈夫か、という理屈的反発と、上に述べた情緒的違和感を感じる。トウモロコシの茎、オレンジの皮、おからなど廃棄物を材料にする試みもあるという。これは大賛成。
 食べ物利用ということでいえば、O.ヘンリーの短編小説に「善女のパン」という名作がある。たしか・・・貧しい画家が毎日のように固いパンを買いにくる。画家に思いを寄せているパン屋の心優しき善女店員は、気を利かして(思いを込めて)こっそりパンの中にバターを塗りこむ。ところが、画家はそのパンを絵の下書きの消しゴム(消しパン)として使っていて。。。キャンバスが・・・、ってはなし。優しくて、皮肉なストーリー、O.ヘンリーの真骨頂だ。
 

■ 2007/11/13 (Tue)  仏罰

仏罰があたった。昨日の朝、大学のキャンパスを歩いているとき、遠くに知人を見つけ声をかけてよそ見をしたら足をロープつき金属杭に引っ掛けて転倒してしまった。ものを抱えていたせいもあるが、頬をコンクリートに打ちつけた。今朝目覚めたとき、昨日は父が亡くなってちょうど3年目であることを思い出した。忙しさにかまけてすっかり忘れていた。親不孝に仏罰があたったのだろう。でも、父が守ってくれたのか、さいわい怪我もなく跡も残らず昨日今日普通に過ごすことができた。弟にこの件、メールしたら「転倒は足腰の弱り、老化現象の始まり。気をつけや」と言われてしまった。
 

■ 2007/11/09 (Fri)  フェルメールとラピスラズリ

フィルメールの「牛乳を注ぐ女」が東京にきているらしい。この絵で印象的なのは、女性が着けているエプロンの鮮やかな青色である。ラピスラズリを素材とした顔料ウルトラマリンブルーだそうだ。研究に必要があってラピスラズリの小さい試料を持っている。アフガニスタン産の鉱物だ。なんとも表現のしようがない吸い込まれるような美しい青色だ。
 
 
 

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