掲載: DAIDO CAMPUS (大学新聞) No.41 2002. 7
米国人の特長は気さくさと陽気さであろう。4月25日本学を訪問されたディアナ・ホックスタイン(Deanna Hochstein)氏はその特質を遺憾なくお持ちのアメリカンレディであった。ホックスタイン氏は本学の姉妹大学であるオレゴン大学のAEI(American English Institute)の暫定所長(Interim Director)の職にある。AEIは米語教育を通した国際交流に関連する事項を所掌する組織である。氏の来訪目的は、主として次の3つであった。
(1). オレゴン大学と大同工業大学のこれまでの友好・協力関係に対する謝意を表したい。
(2). 大同工業大学のオレゴン大学との学生交流プログラムの今後の取り組み方について意見を交換したい。
(3). オレゴン大学AEIが計画している新規プログラムの説明をしたい。
昨年の9月米国で起こった同時多発テロリズムの記憶は未だ生々しい。この未曾有の事態を受けて、さらにその後の炭疽菌事件も勘案して、学生委員会は長年続けてきたオレゴン大学への学生の夏期短期留学と海外研修を平成14年度は中止することを決定した。湾岸戦争以来11年ぶり2回目のことである。今回のホックスタイン氏の訪問はこれらの背景抜きでは考えにくい。氏は15年度における本学の短期留学実施の帰趨が気になっているようでもあった。14年度の中止は異常事態に対応した緊急避難的措置である。本学としては、安全の確保・確認が大前提であるが基本的には長年行ってきたオレゴン大学短期留学を再開・継続したいとの考えをもっている。その方向で学生委員会の検討は進んでいる。以上のことを伝えると、ホックスタイン氏は嬉しそうに頷いておられた。
先日外国語教室パワーズ教授が「トム・ミルズ(Tom Mills)さんが、こんなこと書いているよ。学生委員の皆さんに読んでもらったら」とコピーを学生部に届けてくれた。ミルズ氏はオレゴン大学のOIP(Office
of International Program)の所長であり、本学との国際交流に長年力を尽くしてくださっている方である。オレゴン大学同窓会誌「インサイダー」に掲載された氏の寄稿は「悲劇にもかかわらず異文化交流は成果をあげつつある」と題するものあり、昨年9月以来のオレゴン大学の国際交流、留学生事情が報告されている。留学生(中近東からの学生を含めて)は大学に厚く歓迎されている。悲劇後の留学生の数もむしろ増加傾向でありオレゴン大学では安全に問題はないだろうという趣旨である。学生委員会としてはこのような資料をはじめ種々の情報を集め慎重に分析し15年度の方向を検討することになるであろう。読者の皆様からのご意見・ご希望も拝聴できれば幸いである。(011)