掲載: アップルズ 2001. 10
ちょうど30年前のことを思い出しています。大学の1年生の10月です。郷里を離れ一人暮らしをはじめて半年です。このときから遡ること2年、2つの国立大学が、吹き荒れた学生運動の嵐(混乱)のため、入学試験を中止するという前代未聞(その後もありません)の事態がおこっています。混乱は鎮静化されていましたが、地面をすこし掘ると燻りの煙が立ちのぼる、そんな時代でした。
このたび学生部長に就任することになりました。任期は2年です。30年前にスライドさせれば、大学1年生から3年生の期間になります。自分が学生のとき何を考えていただろうか?こんな場合どうしたのだったか?ということをいつも考えたいです。もちろん、私の学生生活が皆さんの模範になるなどと思っているわけでは決してありません。むしろ「こうしてはいけないよ」と言わざるを得ない反面教師的な体験の方が多いかもしれません。これは私に限らず、おおかたの大人はそんなものだと思います。自分自身が学生であったころの、そしてその後大学教員としての経験を役立てながら職責を果たしていく決意です。最近の大学、学生をとりまく社会情勢は「温故知新」だけでは対応できない新たなる難問の出現もみえています。そのような問題には学生の皆さん、学生室のスタッフの方々の協力を得ながら知恵を絞っていくしかないのだろうと考える次第です。(001)