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ドカーン、屋根を吹き飛ばして弾丸の形をした人工衛星が民家に突入した。去る10月15日、中国四川省の南西部の村に科学衛星カプセルが降ってきたのだ。ただし、パラシュートをつけて減速されていたので、衛星は屋根を吹き飛ばして、部屋の真ん中にごろりと横たわった状態で回収された。
普通、ロケットは地球の自転の方向に打上げられるので、衛星は西から東に向かって飛行する。指令電波によって、衛星に取り付けた小型ロケットを逆噴射して飛行速度を減速すると、衛星は高度を下げて大気圏に突入する。中国の人工衛星は中央部の砂漠地帯で回収される。
この衛星の場合、何らかの理由で逆噴射がうまく行かなかったようだ。高度を下げるのが遅れて、予定地点からはるか東側の四川省まで行ってしまった。衛星をコントロールしていた管制官は慌てたに違いない。衛星はどんどん、太平洋に向かって飛行していたからである。海に落ちると回収ができなくなる。
無事陸地に落とすことに成功したが、そこは民家であった。幸いその時、家には人が居なかったため、けが人を出さずに済んだ。中国の通信社である新華社は一枚の写真をインターネットで公開し、けが人はなかったと報道したが、落下地点の地名は不明である。それにしても、よくここまで公開に踏み切った中国の姿勢の変化に感心した。
私は宇宙の無重力を利用した材料製造の研究を行っている。中国の同業者は無人の実験衛星を年2回程度打上げて実験を行っている。彼らとは2年に1回定期的に研究会を開いているので、どんな実験を行っているのか大体のことは分かっている。次回の会合では民家を直撃した衛星に搭載した実験が話題になることであろう。話しを聞くのが楽しみである。
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