箱詰めパズル

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・箱詰めパズルってなに?
 最も有名なペントミノで説明しましょう。下に12種類のピースがあります。これらは小さい単位正方形5個分の大きさですが全部形が違います。これを縦6単位、横10単位の箱に詰めてくださいというのが問題です。ピースは裏返しが可能です。

 このようにいくつかのピースを何らかの容器に隙間無く詰め込むパズルを総称して、箱詰めパズルと呼びます。正方形ではなく三角形や六角形を基本とするものや、立体的に詰めるパズルもあります。ジグソーパズルも広い意味では箱詰めパズルですが、一般に箱詰めパズルといえば幾何学的に単純な形を使うものが多いようです。

・ペントミノ
 上の図のような箱詰めパズルです。ペントミノ(pentomono) の pentは5、omino は正方形という意味があります。ですから正方形5個を集めたピースが使われています。これは箱詰めパズルのなかでは易しい方でしょう。コンピュータですべての答えを出すのも、そんなに難しいことではありません。解の個数は全部で2339個です。いくら易しいといっても人力でこれを全部求めるのは無理でしょうね。

・ヘクソミノ
 下の図のような箱詰めパズルです。ペントミノの正方形5個に対して、ヘクソミノは正方形6個です。ヘクス(hex)というのは6の意です。ピースの種類もずっと増えて35。そして、面白いのは収めるケースが19×11の長方形に1個分の出っ張りがあることです。21×10とか15×14の方がスマートだと思うのですが、残念ながらそれでは解がないのだそうです。(この証明は見たことがありません,誰か教えてください。)  これだけピースの数が多いと非常に難しくなります。解の総数はもちろん不明。このパズルは、潟eンヨーから「プラパズルNo.600」として商品化されていました。その解説には解は10億以上あるだろうと書いてあります。でもこれは相当控えめで、兆どころか京にも達するものと思われます。

・ヘクシアモンド(Hexiamond)
 下の図のような箱詰めパズルです。ペントミノと違って、正三角形を単位にしていて、正三角形が6個くっついた形が12種類あります。それを図のような形の容器に収めます。
 商品としては「プラパズルNo.6」という名前で出ています。そして、その解の総数は4968通りあります。これもプログラムの得意な人ならパソコンで計算できるでしょう。
 下右の図は、まったく同じピースを使用して違う形のケースに収めるものです。

・ヘプタモンド(Heptamond)
 下の図のような箱詰めパズルです。これも正三角形を単位にした形のピースを使いますが、正三角形7個分です。ヘプト(Hept)というのは7の意です。商品としては「プラパズルNo.24」という名前で出ていました。ピースが24個だからでしょう。ピースが24種類になるので、ヘクシアモンドよりも数段難しくなります。
 それで、商品の解説には10万個以上の解があると書かれていました。長い間解の総数はわかっていませんでした。コンピュータによる計算も時間が掛かりすぎて難しかったのですが、2024年白川俊博さんが新しいアルゴリズムで計算しました。その数は231263869366(約2314億)です。

・ペンタヘックス(Pentahex)
 下の図のような箱詰めパズルです。このピースは単位正六角形5個分の形で22種類あります。テンヨーの商品としては「プラパズルNo.22」という名前で出ていました。これもピースの数が22個だからでしょう。へプタモンドの24種類よりは少ないというものの,やはり組み合わせ数は膨大でかなり難しくなります。
 これも,解の総数はわかっていませんでした。私は2008年に概数は約37兆と見積もっていましたが、2024年これも白川俊博さんによって正確な数が求められました。れによれば解は38392870484072(約38兆)です。ヘクシアモンドより多いというのは予想外でした。

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大同工業大学 情報学部 大石研究室