「十進数」と書いたらなんと読みますか。ほとんどの人が「じゅっしんすう」と答えたと思います。でも国語辞典的な正解は「じっしんすう」なんです。
たしかに十の音読みが「じっ」となることはよくあります。たとえば「十把一絡げ」は「じっぱひとからげ」ですし、「十本」、「十回」も「じっぽん」、「じっかい」と読むのが正しいとされています。
でも、[10進数」と書いたらどうでしょう?
これを「じっしんすう」と読むのは逆に抵抗を感じませんか。2進数、3進数、…、n進数のひとつと考えると「じゅっしんすう」ですとね。
今、十の読みが変わりつつあります。十本のように十のあとに単位がついて促音化(っ)する場合、伝統的には「じっ」です。でも現実には「じゅっ」と発音する人が大半を占めるようになっています。国語辞典にもそれを許す動きもありますが、完全に容認されたわけではありません。小学校ではまだ「じっ」が正しいと教えているようです。またNHKは「じゅっ」を認めながらもアナウンサーは大抵「じっ」と言っています。
もう明治から150年以上過ぎた今、「じっ」は標準ではなく古典的ととらえてもいい時期です。固有名詞や故事成語以外は「じゅっ」でいいんじゃないかな。
--- Y.O. ---