仮想化

 仮想化というのは,本当は存在しない物をあるかのよう見せる技術をいいます。仮想現実(ヴァーチャルリアリティー)もそうです。でもせまい意味での仮想化というと,コンピューターの機器について使います。たとえばハードディスクが1台しかないのにあたかも2台あるように見せ,使い勝っても2台のハードディスクがあるのとまったく同じです。
 見えないけれど身近なところではJVM(Java ヴァーチャル・マシン)があります。Javaという言語は1つのプログラムを作ればどんなOSでも動かせるというのが売りになっています。それができる理由は簡単で,すべてのOS用に仮想のコンピューターを置き,それでJavaプログラムを実行させるのです。
 またサーバーの仮想化というのがあります。1台のコンピューターを2台以上のサーバーとして使う技術です。どうしたらそんなことができるのでしょうか。その仕組みはハードウェア的に実現することもありますが多くはソフトウェアとして作られます。どっちにしても1台の機械が複数の機械の働きをするのですから,処理能力によっぽど余裕がないといけません。以前は,仮想化したけれどコンピューターの処理能力不足でイライラさせられるということがありました。
 ところが最近は,CPUがマルチコアになって処理速度が上がり,メモリーもふんだんに使えるようになりました。こうしてコンピューターの能力が上がってくるとと,今度は普通に使っているとCPUやメモリーのたった20%程度しか使われていないというようなことになります。それなら仮想化して2台のサーバーとして使えばもっと稼働率が上がるだろうというわけです。
 仕事が終わって遊んでいるなら他の仕事をせよ!機械ならいいけど,人間にも言われたらきついかもしれませんね。
--- Y.O. ---


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