ソフトウェア

 ソフトウェアとはハードウェアに対する言葉で、コンピューターならプログラムを意味します。もう少し広くとると、データもソフトウェアになります。たとえば音楽ソフトとか映像ソフトといえば、音や動画を再生するプログラムよりもCDやDVDあるいはMPEGのファイルを意味しますよね。
 ところでこのソフトウェア(software)というのはよく考えると変な言葉です。ハードウェアという言葉はコンピューターの登場以前から使われていた言葉で、いわゆる"金物"です。主に金属でできた容器や道具ですね。文字通り、固い物です。それに対してソフトウェア(software)は1950年代から使われるようになった新しい言葉なんです。金物に対応するなら、布、綿、スポンジ、ゴムのようなものに使いそうなのに、そうではなくて、コンピューターのプログラムをさす言葉として採用されました。
 プログラムやデータは実体のないものなので、固い(硬い?)も柔らかいもないはずなのに、この言葉を使い始めた人は柔らかいと感じたのでしょうね。抽象的なものは柔らかいのでしょうか。日本語では"固い規則"とか""固い意志"、"確固たる技術"なんていうこともありますが…。
 ソフトウェアを日本語にするときは漢字を使わずカタカナでそのままソフトウェアとしました。そのため、固いか柔らかいかはあまり問題にされなかったと思います。でも漢字しかない中国では、ハードウェア、ソフトウェアを"硬件"、"軟件"というのだそうです。これだといやでも固さを意識させられますね。--- Y.O. ---



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