NTP

 テレビ放送が地デジになって、秒単位の時報がなくなったことにお気づきでしょうか。電波として放送局から受信アンテナまで到達する時間はディジタルもアナログと変わりません。でもディジタルではその後にデータ処理の時間が必要なのです。
 ディジタルなら何でも速くなると思いがちですが、遅くなることだってあるんです。インターネット上の通信もそうですね。ですからネット上で正確な時刻を伝えるということはとても難しいのです。正確な時刻を送信したとしても、それが何秒遅れて届くかなかなか予測できないのですから。
 それでも何とか正確な時間をキープしようという仕組みが NTP(Network Time Protocol)です。まず、原子時計などの最も正確な時計に直結するサーバーを頂点として、ピラミッド型の階層構造でサーバーをつなぎます。これにより経由するサーバーの数をなるべく少なくして遅延の影響を少なくしようということです。もうひとつは、遅延時間を継続的に測定して時間を補正するということです。
 ということで、NTP は完璧に時間を合わせる策ではありません。最善は尽くすけれど最高を期待するな…そんな考え方なんでしょう。--- Y.O. ---



→ IT用語 もくじ

      → 大石研究室TOP へ