スピーカー

 スピーカーとは音の電気信号を力学的振動に変換して空気中に音を出す装置のことです。その仕組みは単純で、コイルと磁石で振動板を動かすか、圧電素子を使うかです。これは長い間変化のない技術で、とくに電磁気的な方法のスピーカーは小型化が難しいという問題を抱えています。
 パソコンのスピーカーで何が問題かといえば、なんといっても低音が出ないことでしょう。人間が聞くことのできる音の周波数(1秒間の振動数)はおよそ20Hz(ヘルツ)からです(高い方は2万Hz程度)。しかしパソコンのスピーカーでは20Hzなんて絶対に出ません。それどころか、ノートパソコンでは200Hz以下は全然出ないということも珍しくありません。幸いなことに、人の会話などは低い音が出なくても十分わかります。でも音楽となると全然ダメですね。
 ためしに、あなたのPCで以下の音がでるか確かめてみてください。50Hzが聞こえるPCはほとんどないでしょうね。(注:音の装置が安物だと音が歪んでノイズの成分が聞こえてしまう場合はあります)。
  200Hz  150Hz   100Hz    50Hz 
 低い音を出すにはどうしても直径30cm以上というようなスピーカーとそれを囲う巨大な箱が必要になります。そして何十万円という値段がつくわけです。
 パソコンのサウンドは電気信号の間は非常に正確でいい音を保持しています。ところが空気中に出る段階でとても貧弱なものになってしまいます。残念ですね。ただし、低い音を聞く方法はあります。それはヘッドホンを使うこと。ヘッドホンは耳のすぐ近くで音を出すので、比較的低い音まで再生できるのです。
 最近はヘッドホンやイヤホンの方が慣れているという人も多いようですが、本当は空気中を伝わってくる音を聞きたいものです。--- Y.O. ---



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