「書き込み」。当たり前に使っている言葉ですが、ディスクなどにデータを記録することをなぜ書き込むというのでしょう。アナログ信号の場合を考えてみると、画像をフィルムに書き込むとか、音をテープに書き込むとは言いませんね。ですから書き込むという表現はディジタルのデータになってからの使い方だと思われます。
広辞苑で「書き込み」を引いてみると1番目に、本などに書き入れるとあり、2番目にコンピューターの記憶装置などにデータを入れるとあります。しかし、この2番目の意味が出ているのは第5版(1998年)以降なので、一般的に使われるようになったのはそんなに古いことではなさそうです。英語ではファイルの入出力を read と write で表現しますから、そこから「書く」という表現になったのでしょう。
ところで、あるソフトのメニューでファイルを保存することが「書き出し」となっていました。よく考えると「書き込み」と「書き出し」、正反対なのに同じように使っていることがあります。実際「ディスクへ書き込む」といっても「ディスクへ書き出す」といっても行うことは同じですね。ちなみに、広辞苑では「書き出す」にコンピューター関係の意味は出ていませんでした。 --- Y.O. ---