MIPS(ミップス)とはコンピューターの計算速度を表す単位です。その意味は Million Instructions Per Second つまり、1秒間に100万回命令を実行するということ。ただ、最近はあまり使われていないようなんですね。なぜでしょうか。
1960〜70年代は大型の計算機でも、その計算速度は1MIPSかせいぜい10MIPSといったところでした。でもコンピューターがどんどん高速化してMIPSではとても足りなくなったというのが理由のひとつです。いまや安物のパソコンでも軽く10000MIPSを越えるのですから。
もうひとつの理由は、CPUの種類によって命令が違うので異機種間の比較が難しいということなんです。同じ仕事をするにも1命令でできるCPUもあれば、10命令ぐらい使わなければならないCPUもあります。さらに複数のCPUで並列処理をするコンピューターの場合、MIPSでは正しい評価ができません。
そこで、単に命令というのではなく、何らかの標準的な仕事をする速さを計測して評価しようということになりました。その計測をするのがベンチマークテストと呼ばれるプログラムです。しかし、ベンチマークテストも種類がいっぱいあって時代とともに変わるので、昔のコンピューターから最新のものまで比較するのはやはり難しそうです。
ところで、以前(十数年前)、小学生向けの理科の副読本に「最近のコンピューターは1秒間に数百回の計算ができる」と書いてありました。著者がMIPSを理解していなかったのか、単に「万」の脱字だったのでしょうか。それを読んだ小学生はどう思ったのでしょう。 --- Y.O. ---